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リーマンショックをきっかけに自社製品の開発をスタート

リーマンショックをきっかけに自社製品の開発を開始したシステムクラフト。製造現場における組込みシステムの受託開発で蓄積されたノウハウを活かして、無線センサーネットワークシステム、医療・福祉介護向けソリューション、社会インフラシステム等を展開。さらに、東京都立産業技術研究センターとの共同研究により移動型ロボットベース装置「SCIBOT(サイボット)」を開発し、サービスロボット分野に力を入れている。

株式会社システムクラフト(H28/10/20up)

ハードとソフトのノウハウを活かしてサービスロボット分野へ参入

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これまでの受託開発で培った組込み技術を応用し、無線技術を活用したシステムだけではなく移動型ロボットベース装置「SCIBOT」も開発。少子高齢化による労働力減少が見込まれるなか、ロボットシステムインテグレーターと共同で、サービス分野で活躍するロボットの開発を目指している。

リーマンショック後に自社開発をスタート

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

受託開発・製造サービス、無線センサーネットワークソリューション、医療・福祉介護向けソリューション、社会インフラソリューション、サービスロボット構築ソリューションを展開しています。

受託開発をはじめとして、社会インフラや無線を中心とした事業を展開

受託開発をはじめとして、社会インフラや無線を中心とした事業を展開

 

もともとは大手企業からの受託開発・製造サービスをメインとし、いわゆる「組込みシステム」と呼ばれる分野でソフトウェア・ハードウェア双方の技術を蓄積してきました。リーマンショック後、受託開発だけでは立ち行かなくなるだろうとの危機感から、受託開発で培った技術を活かし、自社製品の開発を開始しました。また、東京都立産業技術研究センターとの共同研究により移動型ロボットベースを開発、平成26年から販売を開始しています。

無線通信技術を活かした各種ソリューション

―無線通信技術を活用したソリューションが多いようですが、もともと無線を得意分野とされていたのでしょうか。

 

昔から専門分野だったわけではなく、約8年前から無線通信技術に取り組み始めました。その後、自社製品として最初に世に出したのが、ZigBee(2.4GHz)、Bluetooth(2.4GHz)、特定小電力無線(920MHz)を使った無線センサーネットワークソリューションです。無線通信に必要なアクセスポイント、タグ等のデバイスの開発も行っています。

 

―2.4GHzのZigBeeとBluetooth、特定小電力無線(920MHz)を使い分けるメリットは何でしょうか。

 

Bluetoothはデバイスに情報を送信する際に、ZigBeeはアドホック型のネットワークが構築できるので、長距離の伝送が必要な際に使います。ただ、2.4GHzだと障害物の回り込みが難しかったり、金属に反射してしまうことがあるので、そういう場合は特定小電力無線(920MHz)を用います。このように、用途によって無線の種類を使い分けているのです。

 

―無線センサーネットワークを活用した事例を教えていただけますか。

 

弊社の無線センサーネットワークの最初の導入事例が、平成22年に発表した横浜市栄区にあるUR賃貸住宅の「見守りシステム」で、現在でも約400世帯で稼働しています。孤独死の防止・早期発見を目的とする日本初のシステムで、住戸内の情報(在宅確認、ドアの開閉、トイレの使用状況等)を定期的に収集し、管理センターに集約することで、その後の安否確認の効率化に貢献しています。このUR賃貸住宅は、東京ドームくらいの敷地面積をもつ大規模な団地だったため、導入には特に苦労しました。夏場、木々の葉が茂ってくると無線が反射して飛ばなくなってしまったり、予期せず他の機器の影響を受けて飛ばなくなったり……。おかげでかなりのノウハウを蓄積できました。このノウハウが生かされた自社製品が、平成23年度 都市課題解決のための技術戦略プログラム製品開発助成事業で開発したシルバーエイジ・元気生活サポートシステム「元気リズム」のトイレセンサーと離床センサーです。

無線技術を応用した「元気リズム」

無線技術を応用した「元気リズム」

社会インフラ系のソリューションにも活用

―無線通信技術を活用して、社会インフラ系のソリューションも展開していますね。

 

GPS信号を捕捉して斜面の土砂崩れなどの相対位置を測定するシステムや、原子力発電所の放射線量を測定するシステムを開発しました。いずれも測定対象の地域に人が立ち入れないため、遠隔から計測できるよう無線通信技術を用いています。

放射線量の測定システムでは、線量計メーカーと共同開発をしました。福島原発の現地作業員の方々の安全を守るために、利用していただいております。

最近では、プラムシステム有限会社(東京都日野市)との共同開発で、ヘルメットを叩くことで声が届かない作業者への通知を行う「キツツキ・ハンマー」という製品の無線部分を担当しました。林業や建設業等の騒音作業現場等、さまざまな用途での利用を見込んでいます。

ヘルメットを叩いて知らせる「キツツキハンマー」

ヘルメットを叩いて知らせる「キツツキハンマー」

 

本当に人間の役に立つロボットを開発したい

―ロボットの開発を始めたきっかけを教えてください。

 

弊社にはソフトウェアとハードウェア両方の組込み系の人材が揃っていますので、「それぞれのの技術者が力を発揮できる分野である」という理由から、ロボット分野に参入しました。具体的には、東京都立産業技術研究センターとの共同研究を始めたのが最初となります。その成果として生まれたのが、平成26年に発売したという、ロボットの足回りとして使っていただく専用の製品です。

移動型ロボットベース装置「SCIBOT」

移動型ロボットベース装置「SCIBOT」

 

―今後の展望をお聞かせください。

 

これまでロボットの上流側の開発は手掛けていませんでしたが、少しずつ上流側にも取り組んでいきたいと考え、東京都中小企業振興公社の先進的防災技術実用化支援事業を活用し、ロボット本体の開発を行っています。災害時に避難されている方とロボットを通じて会話したり、脈拍や体温等の健康情報を取得するロボットです。

労働人口が減少するなかで、人間があまりやりたがらない「3K」と言われる仕事は、今後ますますロボットへの置き換えが進むでしょう。おそらく、世の中にはまだ我々が気づいていないニーズがたくさんある筈です。そうしたニーズを形にするべく、共同開発をしてくださるパートナー企業を開拓し、共にサービスロボットの開発を推進していきたいと考えています。

株式会社システムクラフト 谷津社長

株式会社システムクラフト 谷津社長

取材:平成28年8月10日

企業基本情報

会社名 株式会社システムクラフト(H28/10/20up)
所在地 〒190-0023 東京都立川市柴崎町3-10-4
設立 昭和53年10月18日
資本金 3200万円
従業員数 28名
主要取引先 大手電機メーカー等
WEBサイト http://www.scinet.co.jp/