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匠の技と女性の感性を活かした自社製品開発~咲き続けるステンレス製のバラ「BLOSSO」

これまでの下請体質から脱却するために、女性の感性を活かし開発したステンレス製のバラ「BLOSSO」。アクセサリーとしても、インテリアとしても使える新感覚の製品は、大手百貨店でも取り扱われるなど、徐々に認知度も高まり、技術力のアピールにも繋がっている。

株式会社ミューテクノ(H29/1/11up)

技術力と“おもてなし”の心で高いリピート率を達成

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精密板金加工とプレス金型設計製作の2つの事業を柱とし、短納期の多品種少量生産に対応する。平成19(2007)年の事業承継直後から社内改革に取り組み、技術力の高さもさることながら、“おもてなし”の心で高いリピート率を達成している。

試作を強みとする精密板金加工業

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

精密板金加工と金型設計製作、加えて自社製品の製造販売も行っています。もともとは先代が大手企業の第一下請けとして電光掲示板の設計・施工を行っていましたが、あるときを境に受注が激減。当時、すでに購入済みだった隣の建屋にプレス機が何台かあったことがきっかけとなって、プレス加工を始めました。その後、レーザー加工機も導入し、板金加工も手掛けるようになりました。金属加工については知識も経験もないところから始めたので、経験者採用で入社いただいた従業員たちに支えられ、ここまで来ました。技術力のある人たちが入社してくれたことで、弊社の技術力やノウハウが培われてきたのです。

取締役専務 谷口 栄美子氏

取締役専務 谷口 栄美子氏

 

―試作を強く打ち出しているのはなぜですか。

 

当初から、試作と量産を並行して受注していたことから、試作で1個だけ作ることに慣れていたというのが大きな理由です。量産を中心としている企業が1個だけ作った場合の価格に比べ、弊社は1個でも比較的安価な適正価格を提示できます。幅はありますが、大きいときで10分の1程度の価格差になりますよ。

リーマンショックをきっかけに自社製品を開発

―事業承継直後から、改革に取り組んだそうですね。

 

平成19(2007)年に先代から事業承継し、弟が社長、私が専務に就任しました。ところがその頃の業績は、前年よりも売上が上がっていたにもかかわらず、利益が増えず、現場は残業に次ぐ残業、という状況。「このままではいけない」という危機感から、どんぶり勘定だった管理体制を改め、採算に応じた作業時間遵守を徹底し、それを評価制度に反映しました。

その後、平成20(2008)年にリーマンショックが起こりました。当時は商社経由の下請けの仕事ばかりだったので売上が激減し、従業員にはワークシェアによる時短勤務をお願いしてなんとか凌いだ状況でした。この時、やることがなくなってしまった従業員に対して「機械も材料もあるんだから、好きなものを作って」と声をかけてみたところ、でき上がったのが昆虫の形をした「3D SUS」です。この「昆虫」が、慣れないながらも営業活動をしていくうえで“技術の名刺”として本領を発揮してくれました。営業活動に「昆虫」を持っていくとお客様からの反応も良く、弊社の技術力アピールにも繋がるなど恵まれた連鎖反応が起こり、お蔭様でリーマンショック以降、新規のお客様を150社ほど獲得することができました。

「3D SUS」昆虫シリーズ セミ

「3D SUS」昆虫シリーズ セミ

女性の感性を活かし、“匠の技”を商品化

―自社製品の開発をはじめたきっかけを教えてください。

 

下請けの仕事を中心としてきたので、景況の良し悪しで受注状況が大きく変わります。しかも大手企業に依存していると、仕事が来るのを待つしかない。そんな状況から抜け出すために自社製品に取り組みたいと考えました。現場の閑散期に自社製品を製造できるのもメリットです。苦しい時でも、自分たちのやり方さえ工夫すれば業況を変えられる。そんな手段になるものが作りたかったんです。だから、「昆虫」以外に誰が見ても素晴らしいと思ってもらえるような素敵な製品を作る必要がありました。

しばらく悩んでいたときに、東京都中小企業振興公社の事業化チャレンジ道場を勧められ、参加しました。そこでいただいたアドバイスから、私自身が好きなバラの造花を金属で作ろうと。それが「BLOSSO」です。

BLOSSO

BLOSSO

 

―「BLOSSO」のコンセプトを教えてください。

 

「BLOSSOM」は英語で「(花が)咲く」という意味ですが、最後の「M」をつけずに「BLOSSO」とすることで“咲き続ける”(=永遠)という意味合いを持たせています。生花は枯れてしまうけど、金属は半永久的に形を維持することができます毎年、「BLOSSO」をプレゼントすることで部屋にお花の数が増えていく。10個、20個と増えていけばいくほど幸せな思い出も積み重ねていけるのではないでしょうか。ではないか。

ユニークなのは、インテリアとしてもアクセサリーとしても使うことができる点です。「BLOSSO」の中心にはコットンボールが入っていて、香水をしみ込ませて好きな香りも楽しむことができます。ステンレス製なので腐食しませんし、汚れたら洗うこともできます。

「BLOSSO」のアイディアは女性から生まれ、花びらを1枚1枚曲げ加工していく製造工程も女性従業員が担当しています。まさに女性の感性で製品化したミューテクノの“匠の技”こそのが「BLOSSO」なのです。

女性の感性を活かしたものづくり

女性の感性を活かしたものづくり

「BLOSSO」を世界ブランドに

―大手百貨店でも販売されるなど、大変好評ですね。

 

新宿髙島屋、伊勢丹新宿店などで販売実績があります。新宿髙島屋では外商のお客様向けにVIPルームで展示販売もさせていただきました。ありがたいことに多くの引き合いをいただき、私一人では回らないほどです。

 

―今後の目標を教えてください。

 

まずは、「BLOSSO」を1つの事業として確立させるのが目標です。私が販売員として立たなくても売れるよう、ブランディングしていきたいと思っています。私の本業は経理ですから、そろそろ本業に戻らないと(笑)。

いずれは世界ブランドとして認識され、「BLOSSO」が金メダルの代わりに使われたらいいですね。胸に赤いバラが咲いていたら、もっと華やかで素敵だと思います。

世界発信コンペティションで、東京都ベンチャー技術特別賞と女性活躍推進知事特別賞をW受賞

世界発信コンペティションで、東京都ベンチャー技術特別賞と女性活躍推進知事特別賞をW受賞

 

取材:平成28年9月13日

企業基本情報

会社名 株式会社ミューテクノ(H29/1/11up)
所在地 〒191-0003 東京都日野市日野台1-18-6
設立 平成2年7月5日
資本金 1700万円
従業員数 28名
主要取引先
WEBサイト http://www.mutechno.co.jp/
BLOSSO WEBサイト http://www.blosso.tokyo/