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多摩地域の魅力

なるほど!!「多摩の歴史」はやわかり

古くは織物産業、そして航空・通信・計測産業をへて、機械工業の発展へ。

企業と技術と研究機関の東京西進論

水はけがよく、桑の栽培に適していた多摩地域には、江戸時代から、八王子、青梅、武蔵村山に3大織物産地がありました。これらは農業の副業として興ったものですが、電力線が引かれることで自動織機が導入され、家内制手工業から工場性工業へと発展していきました。
その後、織物業は衰退し、跡地を利用するように機械工業が広がっていきました。なかでも中島飛行機の移転はこの地の発展に大きく貢献しています。未開だった武蔵野や三鷹に大工場を開き、4万人を雇用したということです。また、その周りには名だたる大手企業の工場や施設が次々に移転。成長期には製品開発型企業や大学が都心から西進しましたが、新技術・新製品開発をめざした産学連携、企業間連携は、必ずしも濃密とはいえませんでした。
現在、多摩地域には、大手企業の生産・開発に追随しながら関係機関とも連携し、高度な技術と経験を積み上げることで独自の力を磨いてきた実力派企業が確固たる地位を築いています。かつての繊維産業で発展した多摩地域では、それら競争力のある技術を持つ数多くの中小製造企業が活躍し、モノづくりの基盤を形成しながら、さらなる躍進の機会をうかがっています。

名前は変わっても地域に愛され続ける鉄道

その昔、東京都武蔵野市と府中市を結ぶ「多摩鉄道」は、多摩線、是政線、武蔵境線、そして現在の多摩川線というように、名称がコロコロと変わりました。これは、経営母体や合併などによる変化の結果であり、それだけに多摩地域が時代の息吹を全身に受けながら発展してきたことがわかります。
1910年8月に設立された多摩鉄道は、多摩川河原で採取した川砂利を運搬するために開業した路線です。かつては中島飛行機工場への引き込み線があり、沿線で操業する工場の貨物輸送鉄道としても利用されました。
多摩鉄道は、多摩地域の産業の発展に大きく貢献した鉄道です。近年は西武鉄道として四方に路線を延ばし、宅地化が進んだ沿線の生活インフラとして利用されています。

そもそも「多摩」の意味は何?

そもそも「多摩」って何を表している?その意味を探ってみよう。

いわゆる「TAMA」とは、「多摩」か「玉」か?

「多摩川」というの名は万葉集にあり、多摩(多磨)の字を使い始めたのは奈良時代初めのようです。東京の人のなかには、「多摩」か「玉」か、どちらが正しいのかという疑問を持つ人をけっこう見かけます。諸説ありますが、「多摩川」か「玉川」ということであれば、説明できそうです。まず「多摩」は河川を意味し、「玉」は地域を意味するらしいということです。また、今から350年ほど前に開削された、(東京都羽村市から新宿区四谷までを流れる43kmの用水路)である「玉川上水」で説明すれば、「多摩川を水源とし、四谷大木戸まで流れる玉川上水」ということになり、ここでも「多摩」は取水口としての川を意識し、「玉川」は水路としての地域を意識しているようです。現在でも「多摩川」は河川名であり、「玉川」は東京都世田谷区の(多摩川を抱く)一地域の名称となっています。ただ、江戸時代は「多摩川」と「玉川」が混同していたらしく、「玉川」の方は、きれいな(玉のような)小石が取れたことから定着したという説もあり、そこには歴史のロマンと地域を愛する心が感じられます。

「摩」は「麻」で、麻布を川にさらした?

「多摩川」の漢字表記はいろいろあり、「多麻河」「多麻川」「玉川」「多磨川」など時代によって書き方が変ったようです。そのなかで、「麻」という字に着目し、一説に行き当たりました。「多摩川流域は、古来より麻の栽培地であり、多摩とは麻に手を加えることを意味するとか。そして、(現在も多摩川の近くにある)調布とは麻布を織っていた所という意味である。」と。「麻」が栽培され、「麻」に手を入れる(さらす?) ことを「多摩」といい、その「麻」を近くの「調布」という所で織っていた。であれば、「多麻」は、「麻」が沢山(多く)あったことを意味しているのかもしれません。

そもそも「多摩」って、どこ?

「多摩」の地域はどこからどこまで?

埼玉県の「さきたま」と関係あるの?

「多摩」に隣接した地域では「埼玉」があります。この「埼玉」という呼び方、有力な説によれば、もともと「さきたま」から出たもので、それは“多摩の先にある地域”を指しているということです。真相は不明ですが、“多摩の先”だから「さきたま」そして「埼玉」と呼ばれるようになったとの説明は、なかなか納得してしまいそうなインパクトがあります。いずれにしても、「多摩」を基点にその先の地域の名称が付けられたとすれば、昔の「多摩」も重要な地域であったと思われます。

多摩地域の東西南北って、どのあたり?

多摩地域とは、平安時代の武蔵国多摩郡をさします。現在でいえば、東京都の23区以西と神奈川県の一部にあたります。もとは神奈川県多摩村といわれ神奈川県に属していましたが、明治26年(1893)東京府に編入されました。この地域の多くは江戸時代に天領で、年貢も免除されたり大幅に軽減されていたため、都市計画や地場産業があまり育たず、明治以後は発展が遅れたといわれています。開発が始まったのは1950年以降で、中央線の三鷹から八王子を中心に大都市東京のベッドタウンとして宅地化が進められました。

多摩川の自然と水

多摩に分け入る。知られざる東京を探検する。

東京隣接でありながら自然の宝庫。
■高尾山

多摩は自然の宝庫ですが、その代表格は標高599mで、1,600種もの植物が自生する高尾山でしょう。
豊かな自然と環境に恵まれ、充実したハイキングコースには季節を問わず多くの人が訪れています。
その展望台からの眺望はすばらしく、首都圏を代表する憩いのエリアとなっています。また高尾山は、東海自然歩道の東の起点でもあり、昭和25年に「都立高尾陣場自然公園」に、42年には「明治の森高尾国定公園」に指定され、訪れる人数からみれば“世界一の山”とも言われているようです。

●住所:八王子市高尾町
●交通:京王高尾線 高尾山口駅下車

■八王子城

また高尾山の近隣の八王子城(北条氏照築城)も訪れてみたいところです。小田原城を本拠地に関東一円を治めていた北条氏は、豊臣秀吉の関東制圧で前田利家・上杉景勝軍の攻撃によりわずか1日で落城したといわれています。曳橋や御主殿跡などが復元され、当時の面影を偲ぶことができます。山頂からは南関東一円が眺められます。

●住所:東京都八王子市元八王子町3-2715-2
●交通:JR高尾駅北口より 多摩バス「高尾の森わくわくビレッジ」「大久保」「陣馬高原下」行「霊園前」下車徒歩約15分

■豊かな水源に育てられた地域。
■奥多摩町川乗水源林

多摩川などの大きな川も、上流に行くほど静かな森に分け入り、小さな湧き水にたどり着きます。水道をひねればいつでも水が出る幸せは、森のやわらかな土のおかげです。広域多摩地域には、こうした水源の森がいくつもあり、多摩は豊かな水とともに育った地域といえます。
東京には「日本の水源100」に数えられる水源が3つあります。中でも多摩随一の名爆と称される「百尋の滝」を源林内に擁する「奥多摩町川乗水源林」は、雨の降らない日が続いても水量が比較的一定であることから、森林の「水源涵養機能」に優れた水源といわれています。休日の森林浴に、川乗山への登山コースから名爆を眺めるのは、森や水の恩恵を再確認する意味でも多摩の自然を楽しむ貴重な時間となるはずです。周辺は、都指定天然記念物の日原鍾乳洞をはじめ、渓流釣り場、キャンプ場、温泉などの観光スポットが点在しています。

●所在地:東京都西多摩郡奥多摩町氷川
●アクセス・列車:JR青梅線「奥多摩駅」下車、東日原または日原鍾乳洞行きバス乗り換え「川乗橋」下車、徒歩1時間30分で百尋の滝

多摩の名産

森と水と土が育てた名産

多摩地域の豊かな水の恵みが生んだ名産品、その代表格のひとつは「わさび」です。奥多摩を代表する流れである秋川渓谷など、清流が生育の条件とあれば納得です。もちろん「わさび漬け」もおいしく、わさびの茎がたっぷり入った「わさびの炊き込みご飯」などは、一度は食べてみたい素朴さがあります。
「しいたけ」や「しめじ」「わらび」「ふき」「こんにゃく」などのほか、きれいな水を好む「やまめ」「いわな」などもこの地域の名産。昔から小麦粉の産地だったことから、手打ちの「うどん」を自慢とする食事処が多いのも目につきます。
珍しいところでは「鹿肉カレー」があり、「わさびの炊き込みご飯」とともにレトルトパックになって土産店の人気商品となっています。

水とともに発展した多摩地域となると、やっぱり酒です。
味わいたいのは、多摩地域の造り酒屋の心意気。

豊かな自然の中に優れた水源をもつ多摩地域。水が命の銘酒の楽しみにも多摩ならではの感動があります。お店でみつけたら、蔵元のある地域に思いを馳せてください。その近くには必ず、良質の水が流れていることでしょう。

■青梅「澤乃井」
西多摩の、山の酒屋の五段仕込みの心意気に酔う。
■福生「多満自慢」
多摩川と秋川の合流するところ、旨口の酒を醸す。
■福生「嘉泉」
玉川上水の取水口羽村の堰に醸す幻の地酒。
■あきる野「喜正」
杜氏が手間ひまかけた秋川渓谷で生まれた地酒。
■あきる野「千代鶴」
「鶴の羽や重ねて祝う千代の春」格調ある酒を造る。
■青梅「大多摩」
旧街道青梅宿の山紫水明の地、吉野梅郷に抱かれて…。
■八王子「桑乃都」
織物の“桑都”八王子で、高尾の霊水で仕込みあげ。
■八王子「日出山」
「夕焼け小焼け」の陣馬街道の山と水が育てて200年。
■東村山「金婚正宗」
広重「江戸名所図絵」の豊島屋の仕込水は地下150mの伏流水。
■府中「國府鶴」
武蔵総社大国魂神社の御神酒として知られ地酒らしい地酒。

【その他の主な物産・お土産】
■こんにゃく「のしこん本舗」
御岳名物となっている延ばしたこんにゃく「のしこん」。「のしこん本舗」が提供。
■饅頭「紅梅饅頭」
吉野梅郷の「吉川栄治夫人創業店、紅梅苑」がつくる名物「紅梅饅頭」
■わさび品「山城屋」
奥多摩名物。「わさび漬け」が定番品。「山城屋」が代表格。
■せんべい・和菓子「松坂屋」
創業70年、奥多摩の「松坂屋」など老舗がつくる菓子類。せんべい、和菓子が代表品。
■手打ちそば「寿美屋」
江戸時代創業の生麺業「寿美屋」がつくる「生めん、乾めん」
■(もみじ)せんべい「有喜堂本店」
薬奥院御用達、明治年間創業の「有喜堂本店」の高尾名物品。