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技術力と最新設備で最先端のものづくりに挑戦する

自動車メーカーとの取引で培った社員の技術力と最新設備の両輪で、難易度の高い部品加工を行う。お客様のニーズは断らないというモットーで他社ができない仕事に次々に挑戦し、高品質・短納期でお客様の信頼を獲得。評判が評判を呼び、高難易度の仕事が集まっている。

株式会社伊東NC工業(H30/3/7up)

高い品質意識から生まれた自社製品「ネジピンゲージ」

創業当時から高難易度の試作品を手掛け、品質に対して高い意識を持つ。「ネジピンゲージ」は現場の声から生まれた自社製品で、これまで困難だったねじ穴の位置の測定を0.01mm単位で可能にした。徐々にお客様にも浸透し、販売数量も増加。今後は海外展開も見据えている。

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社員の技術力と最新設備の両輪で高難易度の仕事に挑戦

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

試作専門の精密機械加工業を営んでいます。創業当時から日野自動車の試作や開発の部品の製造を受注していて、かれこれ40年近く取引が続いています。トラックの部品を手掛けているので乗用車に比べて大きな部品が多く、設備も比較的大きなものを導入しています。都内では弊社にしかない設備もあります。

自動車関連の部品は、もともと2つ3つあった部品を1つにすることが求められていて、年々形状が複雑になっています。これまで平面で加工できていたものが、5軸による3次元加工がなければ対応できなくなるのです。こうして、求められる技術が高度化していますから、私たちも新しい技術や難しい技術に挑戦し続けなければいけません。

試作が中心ではありますが少量から量産まで、サイズはφ1mmから1,200mmまで、材質は鋳物、アルミ、難削材、樹脂等、ニーズに合わせて対応可能です。自動車部品は鉄やアルミの鋳物の異形物加工が多く、弊社も得意とするところです。鉄の鋳物の加工は意外と対応できる会社が少ないので、お客様からも評価されています。

また、部品加工から熱処理、仕上げ、表面処理、検査まで一貫受注が可能で、お客様の手配業務の工数を削減できます。

 

―最新設備を他社に先駆けて導入されていますね。

 

自動車の次世代製品の部品を試作するので、当然お客様に求められる要求も高いものばかり。しかも、その評判を聞いてか他のお客様からも難しい加工ばかりがやってきます。その高い要求に応えていくには、トップクラスの設備が必要なのです。とはいえ、中小企業にとって最新の設備を次々に購入するのは大きな負担なので、東京都中小企業振興公社の設備投資支援の助成金を活用させていただいています。

ただし、設備を導入しただけでは良い製品はできません。設備と技術の両輪が必要だと考えています。設備はお金を出せば導入できますが、設備を使いこなすのは人ですから、人間の技術力が一番大事なのです。

工場内の様子

工場内の様子

難しい仕事にもとにかく挑戦してみる

―御社の強みはどういったところですか。

 

お客様が困っている仕事、例えば数が少なくて難しいもの、短納期のものでも引き受ける便利屋のようなところでしょうか。断るのではなく、とにかくやってみようという「挑戦」の社風です。創業当時から難しい仕事ばかり引き受けているので社員も慣れていますし、なんとか対応してくれます。そういう積み重ねで新しい技術が生まれるし、社員もやりがいを感じる。お客様も信頼してくださる。こうして事業が好転していくのです。

当社では、高精度の加工を実現するために、工具一つひとつの摩耗状態等を細かく管理する独自の工具管理システムを導入しました。その情報を加工に活かすことで、安定して高精度の加工を実現することができます。

独自システムによる工具の管理

独自システムによる工具の管理

また、品質の証明として測定には力を入れていて、3台の測定器があります。特に、ドイツのカールツァイス社の2m40cmまで測定できる3次元測定器は、大手でもなかなか持っていない設備です。

最新の検査機器

最新の測定器を導入

 

―人材の採用や育成はどのようにされていますか。

 

これから少子高齢化が進み労働力人口が減少していくので、どうやって優秀な人材を確保するかは大きな課題ですね。これまでは中途採用が中心でしたが、最近になって大学と連携した新卒採用も始めました。職業訓練校とのつながりもあり、工場見学やインターンシップの受け入れをしています。他にも、海外研修生の受け入れも視野に入れて動いています。

ただ、弊社の場合は入社してすぐにできる仕事ではないので、しっかり育てていかなければいけません。やりがいを持って取り組んでもらうにはどうしたらいいかを常に考えています。社員たちは、難しい仕事に繰り返し対応する中で技術を身につけていきますが、それに加えて国家検定、技能検定の取得を推奨しています。現時点で延べ21名の国家検定、技能検定取得者がいます。

また、他社の工場見学や勉強会、海外視察なども実施して、社員には学びの場を積極的に提供するよう心掛けています。弊社は中小企業では珍しく、東京都の技能検定の会場にもなっています。ほとんどボランティアですが、受検者対応や試験会場の準備をしていると、社員の意識も良い方向に変わります。

育成に力を入れ、若手人材が活躍

育成に力を入れ、若手人材が活躍

簡単かつ正確にねじ穴の位置を測れる「ネジピンゲージ」

―自社製品の「ネジピンゲージ」はどういった製品ですか。

 

「ネジピンゲージ」は、ネジ穴の位置を簡単かつ正確に行えるネジ状ゲージです。ねじ穴にピンをはめて測定することで、0.01mm単位という高精度で測定できます。日頃から高精度のものづくりを心がけ、測定に力を入れてきた結果、社員のアイデアで生まれた製品です。平成25年度には東京都経営革新優秀賞の奨励賞をいただく等、反響も上々です。最近ではリピートのお客様も増え、売上も右肩上がりに伸びています。「ネジピンゲージ」は世界共通で使える製品なので、今後は海外特許を取得して海外にも販売していきたいですね。

 

社員の若返りで会社の継続性をアピール

―今後の展望を教えてください。

 

次の決算期に常務である息子に社長を譲り、私は会長に退こうと考えています。しばらくは会長として、社長をサポートしていくつもりです。製造業は後継者不在で廃業する企業が増えていますが、弊社は長く社員に働いてもらうため、また、お客様に安心して取引を継続してもらうため、経営者含めて若返りを図っていきます。新陳代謝を意識しなければ、新しいニーズに答えられなくなってしまうと考えるからです。

また、将来の労働力不足を考えて、東南アジアの協力工場を開拓します。難易度の高くないものは海外の協力工場に依頼して、難易度の高いものは国内で製造する等、棲み分けをすればお客様にもメリットになりますから、積極的に進めたいと思っています。

これまで事業を進める中で、東京都中小企業振興公社から多くの支援を受けてきました。助成金がなければ、弊社の規模で最新設備を次々に導入するのは難しいことです。新技術創出交流会にも複数回参加させていただき、大手企業との取引に繋がりました。今後も積極的に公社を活用していきたいと考えています。

 

取材:平成29年11月13日

企業基本情報

会社名 株式会社伊東NC工業(H30/3/7up)
所在地 〒〒208-0023 東京都武蔵村山市伊奈平2-70-1
設立 昭和55年10月
資本金 1,000万円
従業員数 25名
主要取引先 日野自動車株式会社、日野トレーディング株式会社、日立プロキュアメントサービス株式会社等
WEBサイト http://www.ito-nc.com/