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職人技が支える大型板金・精密板金技術

大型板金・精密板金などを扱う試作専門の金属加工業。図面のないものや手書きの図面でも職人の経験と高い技術力で形にする。十数メートルにもおよぶ大型板金も制作できるスペースと職人を持つ都内最大級の企業で、あらゆる業界のお客様から仕事を受注している。

株式会社アイザック(H30/10/4up)

職人全員が有資格者。常に高い技術を追い求める技術者集団

大型板金はほとんどが手作業で行われるため、職人の高い溶接技術がカギになる。リーマンショックで仕事が激減した際に、職人全員に溶接技能者資格を取得させて技術力を高めた。若い技術者の育成にも注力し、一点モノの大型板金で挑戦を続けている。

職人の技術力で機械にできない仕事をする

―御社の事業内容を教えてください。

 

大型板金・精密板金・架台枠組・筐体溶接などを主に取り扱う試作専門の金属加工業です。職人の高い技術力を活かし、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの材料を、切断、穴あけ、曲げ加工し、アーク溶接、TIG溶接、半自動溶接などの技術を用いて溶接し、お客様のご要望通りに制作します。

一点モノの製品、手書きの図面や図面のないものでも、ご相談いただければ制作することができます。これまで業界問わず様々なお客様から仕事をいただき、大型プラント装置やゴミ装置、自動機械装置、ソーラーシュミレーター、半導体製造装置、建設機器装置、医療機器の筐体、コンベア関連設備、ビル関連設備、特殊車両などの多種多様な製品に対応してきました。

図面上で数値表記できない部分も実現する

 

弊社は昨年、設立して半世紀を迎えました。もともと精密板金を中心に仕事をしていましたが、昭和30年代からNC工作機が世に出始め、高度成長期を経て急速に普及が進むと、機械自体の価格もどんどん高くなり、資本がある会社でないと最新設備を導入できなくなりました。幣社のような小規模企業は最新設備を使わず、職人の技術力を要する仕事に切り替えていく必要がありました。そこで、大型板金のような技術力で勝負する仕事に業容を変えたのです。

昔は蒲田周辺には大型板金を手がける町工場がたくさんあったのですが、時代の流れで徐々に都心で板金加工をするのが難しくなりました。弊社も八王子の明神町で営んでいましたが、騒音問題などがあり平成3年に現在の美山町に移転しました。都内で大型板金を手がける企業はしだいに廃業していき、今では東京都内で十数メートルまでの大型板金ができる企業は弊社しかありません。大きなものは運搬費も高額ですから、今後も国内に残るでしょう。

大型板金の制作が可能な広々としたスペース

 

―社名の由来を教えていただけますか。

 

アイザックは、Irion(鉄)、Stainless steel(ステンレス)、Aluminum(アルミニウム)、Creation(創造)の頭文字を取ったものです。現在の美山町に移転する際に、従業員からのたくさんの提案の中から採用した社名です。「創造してものを作る」という意味で、Creationが入っています。

以前は佐川工業所という社名でしたが、「工業所」という名前だと人材を募集してもなかなか集まらなくて苦労しました。ところが、アイザックに社名変更してからは、若い方にも興味を持ってもらえるようになりました。

全員が資格者の高い溶接技術

―御社の強みを教えていただけますか。

 

弊社の強みは、なんといっても職人の高い技術力です。ほとんどの製品が一点モノで、かつ複雑な形状のものが多いので、職人の経験と発想力が重要です。丸や四角い加工は、機械での加工が難しいので職人の手作業で仕上げます。

溶接はTIG溶接、半自動溶接、アーク溶接に対応し、薄物、厚物、変型物のしずみ取りなど、品物によって溶接の種類を使い分けています。溶接技術は板金の命ですから、職人には全員にJIS溶接技能者資格を取得させています。リーマンショックで仕事がなくなって困り果てていたときに、ピンチはチャンスということで、全員に資格を取らせたのです。今では全員が有資格者ということが技術力の裏付けになっており、それがきっかけで受注に繋がるケースもあります。

高い溶接技術でお客様の要望に応える

 

また、弊社には十数m の大型板金でも対応できる設備とスペースがあります。ホイストを8台設置するなど、大型板金に対応できる設備も整っています。社内では十数mのものまで製造できますが、それを超える運搬困難な超大型板金でも職人が納入先の現場で組立てや溶接を行いますので対応可能です。大型板金は郊外の企業が多いので、東京都内でこれだけの大型板金ができるのは強みです。製品規模にもよりますが、受注から1日から10日で納品できる体制を確立しています。

 

―どのような人材育成をされていますか。

 

入社するとまずは資格の取得を目指して、実務をこなしながらテキストの勉強を始めてもらいます。基本が大切ですからね。実務としては、まずは小さい精密板金からやってもらい、それから大型の方を覚えてもらいます。技術に偏りがないよう万能な職人を育てるのが目標です。

また、弊社では案件ごとに担当者を決めて仕事を進めているのですが、素晴らしいものづくりをするとお客様に直接評価され、職人も満足感と達成感を得られます。そうすると、もっと技術力を高めようというモチベーションになって、成長の糧になります。製品が完成したら担当者が講師になって勉強会を実施して、技術を共有してもらい、技術が特定の職人に偏らないように留意しています。

最近では、専門学校、職業訓練校などのインターンシップ受け入れに力を入れています。若者に技術を教えることで、職人の成長にもつながります。

OJTによる若手の育成

様々な経験を通して職人の発想力を高める

―後継者が入社されたそうですね。

 

私の息子は看護師として働いていたため、一時期は第三者承継やM&Aによる事業承継も考えました。その息子が2年前にアルバイトとして入社し、今は現場の仕事も覚えてきて、専務として仕事をしています。社長交代の時期は明確には決まっていませんが、しばらくはナンバー2として様々な経験をしてもらいながら、徐々に引き継いでいきます。

 

―今後の展望を教えてください。

 

私が元気なうちは、後継者や職人の育成に全力で取り組みたいと考えています。幣社は一点モノを受注しているので、一つ一つ構造も、必要な技術も違います。そのために、社員には様々な経験を積んで、いろんなことを勉強して、経験と発想力を高めて欲しいと思っています。

そして、お客様の信頼を第一に、仕事は「毎日が勝負」という気持ちで一日一日着実にやっていきます。ありがたいことに、2017年度の東京都中小企業振興公社功労賞をいただき、このことも弊社の信頼を高める材料になっています。財務基盤をより強固なものにして後継者に引継ぎたいという気持ちがあるので、お客様の新規開拓は欠かせません。どの業界も景気の波があるので、あまり業界が偏らないよう多くのお客様と取引できればと考えています。今後も東京都中小企業振興公社の新技術創出交流会などを活用しながら、新しいお客様を開拓していきたいと考えています。

代表取締役 佐川 英雄氏

取材:平成30年7月26日

 

企業基本情報

会社名 株式会社アイザック(H30/10/4up)
所在地 〒192-0152 東京都八王子市美山町2161-10
設立 昭和42年7月
資本金 1,000万円
従業員数 18名
主要取引先 東京精密、川重関連、大手建設設備関連、武蔵野設計工業他
WEBサイト http://cc-isac.jp