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日本の科学技術の発展にIT技術で貢献する

大手企業、研究機関、大学等の研究を支援するソフトウェアの開発を受託。画像処理技術を強みとし、最近では機械学習やディープラーニングにも注力している。数学や統計を専門とする人材を揃え、顧客の高度な研究内容を理解してソフトウェアとして実現させる。

株式会社カイ(H30/11/12up)

ゲノム解析と病理解析の融合で治療や予防へ貢献する

ゲノム解析や病理解析等の最前線の研究プロジェクトからソフトウェア開発を受託。長年にわたり、IT技術を用いて研究の支援を行う。今後は機械学習やディープラーニングを活用して病理情報とゲノム解析情報を融合させ、治療や予防への貢献を目指す。

考え抜くことから独自技術を生み出す

―御社の事業内容を教えてください。

 

研究機関、大学、企業等の研究を支援するソフトウェアの受託開発を行っており、特に画像処理を得意とし、最近では機械学習やディープラーニングにも注力しています。「Love the thinking-考えることを愛せ」を企業理念とし、時間をかけても徹底的に考え抜き、他社にまねのできない技術開発を目指します。現在は、科学技術系の仕事が8割、業務系の仕事が2割です。科学技術系の仕事をいただくうちに、派生して業務系の仕事もいただくようになりました。核となる技術はどちらも同じです。

平成3年に起業した当初は、大手企業向けにプラント検査ロボット、VRヘッドマウントディスプレイ、自律移動型の点検用ロボット等の開発を行っていました。そこから、画像スティッチング、移動量計測、画像鮮明化、複数カメラによる3次元計測等の技術を蓄積し、現在の弊社技術の基礎になっています。

現在は科学技術系の仕事がメインですが、派生して業務系の仕事をいただくこともあります。技術的に核となる部分はそれほど違いがないので、分野特有のノウハウと組み合わせれば、幅広くチャレンジできると考えています。

技術の基礎となる画像スティッチング

 

数学や統計学を専門とする技術者

―御社の強みを教えていただけますか。

 

世の中にはソフトウェアを開発できる人材はたくさんいるのですが、数学や統計を理解してソフトウェアを組める人材は多くはありません。アルゴリズムを開発するには数学や統計の知識は必須ですから、数学や統計を専門とする人材を多く集めています。それに加えて、弊社では様々な研究者の研究内容を聞き、理解したうえでソフトウェアを開発することができる人材が揃っています。

また、画像処理やディープラーニング等の学術論文を読む機会が多々あります。それらは英語で書かれているものがほとんどなので、英語の論文を理解する語学力も重要ですね。ただ、英語で書いてある論文でも数学をベースとする内容ですから、数学の基礎知識がないと理解できません。

ディープラーニングの技術を強化

 

―研究者とのネットワークはどのように築かれましたか。

 

仕事を受注するなかで、徐々に大学、企業、研究機関の研究者とのつながりが広がりました。高度な研究をされている先生方と繋がっており、ご要望に応えているうちにご紹介が増えていきました。最先端の研究者との人的ネットワークは、弊社の強みであり、仕事の発展に重要な要素となっています。一方、建設分野など新しい分野への参入には、東京都中小企業振興公社の広域多摩イノベーションプラットフォームを利用しています。

 

長年にわたり科学技術分野のプロジェクトに参加

―開発の事例を教えていただけますか。

 

平成15年にDNAの全塩基配列を解読したヒトゲノムプロジェクトの中心的人物で、22番染色体を世界で初めて読解した研究チームのリーダーだった慶應義塾大学の清水先生のもと、遺伝子疾患データベース「Mutation View」というシステムの開発に20年以上携わっています。清水先生が注目していたのは単一疾患遺伝病という、一個の遺伝子の異常によって引き起こされる遺伝性疾患の事例で、弊社では、どこの遺伝子に変異があるとどういう病気になるかという単一疾患遺伝病のデータを20年以上継続して収集しています。次世代シーケンサーやゲノム編集等の技術が出てきて、バイオインフォマティックス(※)の重要性がますます高まっているので、今後の発展が期待される分野です。遺伝性疾患の原因解明につながるかもしれません。現在は浜松医科大学の蓑島先生のご指導のもと、収集したデータの活用と新たな展開を模索しています。

Mutation View 変異マップのメイン画面

 

また、病理解析の分野では、プラント用のロボットシミュレーション等で得た画像解析技術を発展させ、十数年前から東京医科大学との共同開発でがんの画像判定に取り組んでいます。病理専門医は日本全国で2,500人ほどしかおらず、十分な病理診断ができていません。そのため、病理専門医の負担を軽減し、病理診断のスピードアップをするための画像判定システムによる自動化が求められているのです。以前は機械学習と画像処理を組合せて開発していましたが、最近ではディープラーニングを組合せています。開発には機械学習やディープラーニングの知識だけではなく、病理画像を見て判別できる病理分野の知識も必要とされます。

建設関係でもプロジェクトが進行していて、画像解析を使って判定するソフトウェアを開発中です。

 

(※)バイオインフォマティックス…生命情報科学。生物学のデータを統計学や情報科学の手法によって解析する技術。次世代シーケンサーによるゲノム解析が進んだことで、重要な技術として注目されている。

 

病理解析と遺伝子解析を治療や予防に活かす

―今後の展望を教えてください。

 

しばらくは病理画像の診断が中心になるでしょう。技術的には機械学習やディープラーニングが中心になるでしょうから、それらを業務系の開発にも応用していきます。それに加えて、ソフトウェアはユーザーにどうやって情報を届けるかということも重要なので、ネットワーク技術も強化します。インパクトのある研究に参加して、社会に貢献できるようなものをお届けしたいです。

情報収集やネットワーク作りとして、東京都中小企業振興公社のセミナーや勉強会に積極的に参加しています。建築分野の企業にも興味を持っていただいているので、他の業界にも展開できるのではないかと思います。

今後は、ゲノム解析と病理解析の分野がより密接になると考えています。病理検査用に保存された組織中の細胞のゲノム解析を行うことで、病理情報と遺伝子解析情報を融合させる研究が進んでおり、これらの研究結果が治療や予防への利用が期待されています。弊社もこれらの研究分野に貢献していきたいと思います。

代表取締役 堀澤 知義氏

取材:平成30年9月30日

企業基本情報

会社名 株式会社カイ(H30/11/12up)
所在地 〒185-0013 東京都国分寺市西恋ヶ窪2-2-1 ビーンズ・アネックス西国分寺2階
設立 平成3年
資本金 1900万円
従業員数 13名
主要取引先 大手電機メーカー、研究機関等
WEBサイト http://www.chi.co.jp