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技術力と人材力で総合的にお客様のめっきニーズをサポート

半導体の草創期から半導体や電子部品のめっき加工を手掛ける。技術力と人材力を基礎とし、お客様のニーズに沿って企画・開発の段階から参画し、試作から量産体制の立ち上げに至るまでサポートするPSE(Process Support Engineering)という活動を実施している。

ニシハラ理工株式会社(H31/2/28up)

高品質・低コスト・大量生産を実現するフープめっき

生産量の95%がフープめっきで、距離にして年間55,000kmを生産する。低コストで大量にめっきができるため生産性が高く、めっき厚のばらつきが少なく安定した品質を実現できる。アルミ材への高機能のSnめっき、Niめっきを開発し、自動車業界を中心に軽量化が求められる分野で注目されている。

半導体の草創期から培ってきた技術とノウハウ

―御社の事業内容を教えてください。

 

弊社では主に半導体や電子部品のめっき加工を行っています。私の父である先代が昭和26年に三鷹で創業し60年を超えるめっき加工業の業歴を持ちます。創業当初はハンドバッグの口金等のめっき加工をしていたようです。

昭和30年代に入った頃に工場を小平に移し、近くにあった日立製作所中央研究所からトランジスタの試作関連の仕事をいただいたのがきっかけで、半導体関連の仕事が増えていきました。いよいよトランジスタが量産化されるという時期になると、トランジスタの生産拠点として日立製作所武蔵工場ができ、半導体関係の仕事が一気に増加しました。それ以降、半導体や電子部品のめっき加工を主力事業としています。日本で半導体の生産が始まったのが昭和29年ですから、日本における半導体の草創期から関わっていることになります。

現在は3工場が稼働しており、本社工場ではプレス前フープめっき、狭山工場では特殊設備による半導体部品、佐賀工場ではリードフレーム、コネクタ、一部フープめっきを生産しています。

プレス前フープめっきを生産する本社工場

 

めっき品質を安定させるための管理が強み

―御社の強みを教えていただけますか。

 

一番の強みは、品質管理で発揮される弊社の総合力です。めっき加工は低価格かつ安定した品質を維持しながら大量生産を行うことが難しく、安定した品質を保つためにはめっき液や設備の管理、様々な検査・分析機器による検査が重要です。これらを支えているのが弊社の人材で、生産設備の設計・製造から自社で手掛け、効率の良い量産システムを構築しています。弊社の強みは人材力と技術力の融合によって生まれる総合力といえます。

特に、生産性向上のための改善活動には力を入れています。社員から年間600件もの改善提案が寄せられ、この中から対応すべきものはすぐに設備の改造等へ反映させます。そのため、新規設備の立ち上げや設備の改造は、年間200件にも上ります。これらの活動が評価され、2017年には日本プラントメンテナンス協会からTPM優秀賞を受賞しました。

総合力があるからこそ、お客様の課題や要望に対して様々な解決方法を提案できます。弊社ではこの取り組みをPSE(Process Support Engineering)と呼んでおり、お客様のニーズに沿って企画・開発の段階から参画し、試作から量産体制の立ち上げに至るまでサポートしています。

全社で取り組む改善活動

 

―人材力を高める教育制度はどのようなものがありますか。

 

人材育成には二通りあると考えています。一つは年に2回、グループ研修という部署ごとの研修を実施しています。各部署で抱えている問題の解決方法を検討し、成果目標を設定するものです。もう一つは、現場の技能者の技術を高めるための人材育成として、今年から「ものづくり塾」という制度を始めました。現役を引退したベテランをリーダーにして、特に20代・30代の現場で働く中堅技能者の育成を行います。すでにマニュアルは整備されているのですが、マニュアルの裏にある理論まで理解している社員は多くありません。トラブルが発生したときには理論がわかっていないと対処できず、技術が保証できない恐れがありますから、技能者全体の知識・ノウハウの底上げに取り組んでいます。

 

安定した品質で大量生産を実現するフープめっき

―フープめっきについて教えてください。

 

フープめっきとは、コイル状の金属に連続してめっき処理を行い、コイルで完成させる技術です。全体の生産量のうち95%がフープめっきで、年間55,000kmもの長さを生産しています。

フープめっきのメリットは、低コストで大量にめっきができるため生産性が高いことと、めっき厚のばらつきが少なく、安定した品質を実現できることです。また、めっき加工をした後にプレス加工や曲げ加工ができるため、部品設計の自由度が上がります。マスキングして部分的にめっきをすることも可能で、様々な形状へ対応することができます。フープめっきの生産設備は最長で50mにも及ぶため、設備の導入には広い工場を必要とします。東京都内にはめっき加工業者が約320社ありますが、フープめっきを扱っているところは数社のみです。

フープめっきの生産設備

フープ材のマスキング工程

 

自動車業界に注目されるアルミフープめっき

―N-Sn(エヌスズ)とN-Ni(エヌニッケル)※1とはどのようなめっきですか。

 

N-Sn(エヌスズ)は、弊社で開発した高機能Snめっきです。以前はSn-Pb (スズ-鉛)めっきが主力でしたが、環境への影響が問題視されるようになり、鉛が入っていないSnめっきの開発を進めました。めっき皮膜そのものに酸化防止効果を持たせることではんだ濡れ性が高まり、確実にはんだ付けができるので、電子部品の性能を向上させることができます。Sn-Pbめっきと比較しても変わらない外観でリフロー変色しません。※2

N-Ni(エヌニッケル)は、接触電気抵抗の上昇を長期間抑えられる高機能Niめっきです。通電部品としては不向きなアルミ素材ですが、N-Niめっきを施すことで通電部品に使えるようになり、銅材からアルミ材への変更による軽量化が期待できます。

いずれの技術もアルミ材へのフープめっき加工が可能で、軽量化が望まれる自動車業界等から注目されている技術です。

 

※1. N-Sn、N-Niは、ニシハラ理工株式会社の登録商標。

※2.リフロー変色…めっき皮膜が溶融するときに、皮膜中に吸蔵された有機物が分解され皮膜表層が酸化し、酸化皮膜が厚くなることで色が濃くなり、はんだ濡れ性も劣化してしまうこと。 

 

めっきの正しい知識を広め、業界のイメージを向上させる

―今後の展望を教えてください。

 

まず、働き方改革の実現に向け生産設備の稼動率を高めていきたいと考えています。安定して大量生産ができるよう、技術を結集させて新たな設備を作り上げていきます。最終的に従業員は8時間労働、機械は24時間稼働を目指したいと思っています。

最近では樹脂や不織布等にめっきを施す新しい技術も出てきて、これらの技術を使って新しい製品を作り上げようという企業も増えています。我々も一緒になって技術開発に取り組んでいこうと考えています。たとえば、自動運転が普及していく中で、めっきの総合的な技術を活かして、センサーの無駄な電波を遮断する技術や、人体に影響がある電波を遮断する技術を開発していきたいと思っています。航空機にも非常に多くの電子部品が使われる時代ですので、航空機に採用されるレベルの高信頼性、高耐久性の製品を供給できる体制を整えるのが目標です。

また、最近はめっき技術のことをご存知の方が少なくなっていますので、お客様とのコミュニケーションがますます重要になっています。弊社として質の高いめっき技術を提供し、お客様のニーズに合う提案ができるよう、技術の底上げと技術承継に注力していきます。お客様にめっきを正しく理解していただけるよう、めっき業界のイメージ向上につながるアピール方法も考えていきたいと思っています。

代表取締役社長 西原 敬一氏

 

取材:平成30年11月27日

企業基本情報

会社名 ニシハラ理工株式会社(H31/2/28up)
所在地 〒208-0023 東京都武蔵村山市伊奈平2-1-1
設立 昭和26年8月20日
資本金 7,620万円
従業員数 約180名
主要取引先 半導体メーカー、電子部品メーカー等
WEBサイト http://www.nishihararikoh.co.jp/