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最新鋭機械と汎用機を使いこなし1000分の1オーダーの精度を短納期で実現

2020年に50周年を迎える金属加工メーカー。多品種少量生産を得意とし、最新鋭機械と汎用機を柔軟に使うことで低コスト・短納期・高精度を実現している。設計から製造・組立・後加工(熱処理、研磨、彫刻、めっき等)までの工程をすべて取りまとめ、完成品として納品する。

佐藤工機株式会社(R1/5/20up)

ゲーム感覚で楽しく続けられる上肢(手・腕)のリハビリ器具「楽楽リハちゃん」

日本では年間約25万人が脳卒中を発症し、生存者の多くが上下肢麻痺等の後遺症に苦しんでいるが、リハビリの現場では、上肢のリハビリが充実していない現実がある。そこで、ものづくり企業としての知見と技術を活かし、東京工科大学との産学連携で、飽きずに楽しく手のリハビリができる楽楽リハちゃんを開発した。

精密部品の多品種少量生産で低コスト・短納期・高精度を実現

―御社の事業内容を教えてください。

 

弊社は2020年に50周年を迎える金属加工会社です。7年前に2代目社長である夫が亡くなり、2代目と3代目の中継ぎ役として私が2.5代目社長を務めています。長男が3代目社長として経営を担う準備を進めており、次男も現場監督を務めるべく既に弊社で修行しています。

弊社の主な事業として、自動省力化装置の設計製作とアルミ・ステンレス・鉄等の精密部品加工を行っており、創業当時から精密部品の多品種少量生産を続けてきました。小さなねじから100㎝程度の板物まで、1000分の1オーダーの精度の加工が可能です。低コスト・短納期・高精度が求められる時代の中、従来からお客様の要求に応えることで信頼を築き、半導体、自動車、食品、医療機器等、様々な企業と取引をさせていただいています。

また、更なる生産設備の拡充のため平成29年8月に現工場へ移転し、最新鋭設備の導入や組立室の確保が可能になりました。

2年前に移転した大和田工場

最新鋭設備と汎用機で実現する1000分の1オーダーの精密加工

―御社の強みを教えていただけますか。

 

弊社の最大の強みは、最新のマシニングによる効率的な生産と、汎用機を使いこなす熟練工の技術力を融合し、様々なオーダーに対応可能な生産体制を確立していることです。また、幣社は24時間、正月休み以外は稼働していますので、例えば、金曜日に受注して月曜日に納品するという最短3日の超短納期も対応できます。弊社の受注方針として「欲をかかない」ことを大切にしており、お客様から短納期での依頼を受けた際にも、通常料金での対応を心掛けています。さらに、低コスト・超短納期を提供し続けるには機械の性能向上が不可欠ですので、10年を目安に最新鋭の機種へ入れ替えを行うとともに、機械稼働率向上にむけてオペレーターの育成も行っているところです。ただし、まだまだ機械だけでは出せない精度があるので、マシニングで加工したものを汎用機で追加工することで、お客様が希望する精度の製品を素早く作るようにしています。弊社では六尺旋盤2台と汎用フライス2台が常にフル稼働しており、機械稼働率の高さには多くの企業様から高い評価をいただいています。そして最終的には三次元測定機で図面どおりの精度が出ているかどうかを検査し、データを添付して納品しています。

汎用機を使いこなす職人の技術力

最新のマシニングセンタも導入

弊社ではこうした強みを背景に、設計から組立・後工程までの取りまとめができるほか、製品図面のないものや省力化機械の設計についてもご相談を受け、製品ごとに最適な素材や加工方法を提案しています。お客様が弊社内で組立作業ができる専用室も完備するなど、お客様からの依頼に対するスピーディーかつ柔軟な対応を継続することにより、信頼の獲得やリピートの増加につなげることができています。

手のリハビリを楽しくする「楽楽リハちゃん」

―自社製品開発に着手した経緯を教えてください。

 

創業以来、受注型加工業者として設計製作と部品加工のみ取り扱っていましたが、中小企業を取り巻く状況に危機感を持ちながら、自社の将来を見据えた取り組みを模索していました。そんな中、先代社長と親交のあった東京工科大学の教授から、「脳卒中で半身不随になった方向けの上肢リハビリ器具が欲しい」というお話をいただき、産学連携による共同開発を始めたことが自社製品開発に取り組むきっかけとなりました。

様々なタイプの楽楽リハちゃんが開発されている

―楽楽リハちゃんはどのような製品ですか。

 

脳卒中等の後遺症である手指の萎縮麻痺のリハビリを行うための器具です。下肢のリハビリと合わせて初期から上肢のリハビリを行えば、上肢の回復も期待できるという臨床結果があるにもかかわらず、リハビリ治療では歩行(下肢)や言語の回復(口腔)に重点が置かれ、手・腕(上肢)のリハビリが遅れています。現在行われている上肢のリハビリは、ワイパーリングという雑巾で壁を回しながら拭く動作で代用していることがほとんどですが、ワイパーリングは単調な動作の繰り返しになり、続けるのが大変です。医療現場から、もっと楽しく続けられる器具を作れないかという強い要望があり、開発したのが「楽楽リハちゃん」です。

楽楽リハちゃんには、手のひらにフィットするお椀型の形状に5本の角とベルトが付いており、麻痺した手指であっても簡単に保持しながらリハビリができます。楽楽リハちゃんの下面に金属球を入れてスムーズに動くようになっている「基本タイプ」の他、マウスを取り付けゲームがプレイできる「マウスdeゲームタイプ」、筆記具を取り付けて文字を書くことができる「筆記タイプ」等、様々なバリエーションを開発しました。商品ラインナップの拡充に引き続き注力し、子供向けに小さめのサイズに植毛加工を施した新作も開発していく予定です。単調な訓練になりがちな上肢のリハビリにゲームの要素を取り入れ、点数や時間を競いながら楽しくリハビリを続けることで、萎縮麻痺患者が一日でも早い社会復帰ができるような製品の開発を目指しています。

新作の植毛加工を施したタイプ

―どのように販路を開拓していますか。

 

平成28年度に東京都トライアル発注認定制度に認定されたほか、東京都中小企業振興公社のニューマーケット開拓支援事業の支援先として販路開拓を後押ししていただきました。その結果、都立病院や特別支援学校に楽楽リハちゃんを導入していただき、現在もご意見伺っているところです。

また、楽楽リハちゃんが一般の家庭でも気軽に使っていただけるよう、Amazonにも出店していますし、医療系の代理店向けにも販路開拓を行っております。

楽楽リハちゃんを一般の方にも手の届く価格に

―今後の展望を教えてください。

 

精密部品加工においては低コスト・短納期・高精度という付加価値をプラスすることを心掛けておりますが、今後は更に他社にない要素を取り入れていきたいと思います。特に、工場移転に伴い大きな機械も導入できるようになったので、現状の最大加工サイズ50cm×100 cmを、将来的には120 cm×200 cmまで対応できるようにして、より大きいもの・難しいものに挑戦していきたいです。また、今後は医療機器の分野が伸びると予想しているので、重点的に開拓していきます。

そして、楽楽リハちゃんについては改良を施し、低価格のモデルを開発していきます。日本では年間25万人ほどが脳卒中を発症し、生存者の多くは上下肢の麻痺等の後遺症に苦しんでいます。高齢化が進む日本において、今後はさらに上肢のリハビリの重要性が高まり、楽しくリハビリができる器具が必要になってくるでしょう。そこで、楽楽リハちゃんの定価を1万円台まで下げることでご家庭でも購入しやすい製品にしていくほか、ゲームメーカーと共同しゲームのバリエーション拡大することで、リハビリをより楽しく飽きずに続けられる製品にしていきたいと考えています。

代表取締役 佐藤 良子氏

 

取材:平成31年2月25日

企業基本情報

会社名 佐藤工機株式会社(R1/5/20up)
所在地 〒192-0046 東京都八王子市明神町2-8-9
設立 1970年
資本金 1,000万円
従業員数 18名
主要取引先 精密機器メーカー、電機メーカー等
WEBサイト http://www.satoukouki.co.jp
所在地(工場) 〒192-0045 東京都八王子市大和田町7-4-22