Facebook

  • 文字サイズ

企業検索

産学連携

イノタマ 公式Facebookページ

技術者のこだわりが詰まった高性能機器を世界へ

コロナ放電試験機、集音器、バイノーラルマイクという、ニッチで高品質な3つの製品群を持つ少数精鋭の技術者集団。近年は、ホームページやカタログを刷新し、その類まれなる技術力を発信することで、海外企業からの引き合いも増えている。

アドフォクス株式会社(R2/2/7up)

音のプロとしてお客様の声を具現化。その取り組みが高性能な製品を生み出す

社長自らが“世界一”と称するベテランの技術者たちが、“本当に自分たちが使いたい”と思える、こだわりの製品群を武器に、ニッチトップの道を突き進むアドフォクス株式会社。高性能な製品を生み出す、同社のものづくりの根底には、お客様の声に耳を傾けながら、音のプロとして開発・改良に取り組んできた、その真摯な姿勢があった。

開発、設計、製造までを自社でカバー

-まずは御社の会社概要を教えてください。

 

 弊社は平成3年に設立した電子機器メーカーです。創業メンバーの一人だった父が初代の代表に就任し、私で4代目となります。私は元々ゲーム会社のプログラマーをしていましたが、“世界一の技術者”として尊敬できるベテラン社員と一緒に仕事をしてみたいと思い、会社の承継を決意しました。現在は、絶縁試験機の一種であるコロナ放電試験機、集音器(補聴器)とバイノーラルマイクという3つの製品群をラインアップ。少人数ながら開発、設計、製造まで自社でカバーしています。

 弊社のルーツは父と仲間たちが勤めていたマニア向けのオーディオメーカーで、当初は高性能の小型スピーカーの製造・販売からスタートしました。ものづくりが得意な人ばかりが集まって作られた会社なので、製品のクオリティに定評はあったものの、あまりにもマニアックな製品であったため、残念ながら事業としては伸びませんでした。一方、その数年後、お客様からご依頼を受けてコロナ放電試験機の前身となる巻線の試験機の生産を開始したところ、家電製品の高性能化に伴い、需要が順調に伸びていきました。さらに、お客様の要望によってコロナ放電試験機の開発に着手し、現在の事業の基礎を確立しました。

ベテランの技術者たちのこだわりをカタチに

効率良くコロナ放電を検出する試験機

 コロナ放電とは、絶縁皮膜の周辺の気体中で発生する放電のことを指します。それによって絶縁皮膜が段々侵食されると最終的に貫通し、火花放電を引き起こし、機器の劣化を早めてしまう恐れがあります。従来の絶縁耐圧試験や絶縁抵抗試験では容易に発見できない現象なのですが、それを再現できる試験機として重宝されているのがコロナ放電試験機です。弊社のコロナ放電試験では、試験機本体とは別に用意するプローブボックス内で高電圧を発生させることで、他の試験機より効率良く短時間でコロナ放電を検出することができます。この高電圧を発生するトランスの巻き方にオーディオメーカーで培ってきたノウハウが集約されています。また、耐圧性能が高くなるよう社内で研究し、特注の部品を用いて自社で巻き加工をしています。

 このコロナ放電試験機は、主に家電メーカーに納入されており、インバーターによって制御を行うエアコンや冷蔵庫、電子レンジなどの試験に活用されています。家電製品の高性能化に伴い、インバーターの周波数がどんどん上がるにつれ、コロナ放電が問題になっており、近年では国内だけでなく、韓国や中国企業からのオーダーも増えています。私たちは機器の技術もさることながら、測定ノウハウなどの周辺情報、周辺知識も含めてお客様にご提供しています。

スピーディに高電圧を発生させるコロナ放電試験機

音に関する知見が集約された高性能製品

―御社が製造する集音器の特徴をお知らせください。

 

 補聴器として2001年に発売して以来、数々の改良を重ねてきた集音器も、今では弊社事業の柱のひとつとなっています。最大の特徴は、弊社独自の雑音対策。一般的な補聴器は周波数帯域を300から3kに設定し、人の声だけを聞こえるようにしていますが、弊社はオーディオ技術者から派生した技術者集団ですので、“あるべき聞こえ”“本当の正しい聞こえ”に徹底的にこだわっています。弊社製品の場合、オーディオ的雑音対策を施して周波数帯域は100から10kまで拡大し、音声明瞭化処理装置を搭載することで、聴きたい音が驚くほど明瞭に聴こえるようになっています。また、周波数に応じて自動で増幅特性が変換されるため、個別に調整する必要がなく、誰もが試聴ができるという特徴を持っています。

 

――バイノーラルマイクとは、どういった製品なのでしょうか。

 

 バイノーラルマイクは、耳穴の位置にマイクを置くため、聴こえたままに録音が可能で、ヘッドホンで聞くと立体的な音が再現されるマイクです。実は集音器から派生した製品で、究極の集音器を作ろうと考えてイヤホンマイクを用意し、展示会に出品したところ、たまたまオーディオ評論家の目に留まりました。商品のコンセプトを説明し、貸し出したところ、ジャズ喫茶で録音した生音を聞かせてくださり「イヤホンマイクだけでも良い音になっている」と教えてくださいました。その助言を受けて、バイノーラルマイク単体として販売をスタートすると、ゲーム機や動画作品の素材録音用として利用されるようになり、Amazonでは既に☆4点をいただくほどの高評価を得ています。

ネット通販で高評価を集めるバイノーラルマイク

世界市場を見据え、様々な準備を進めている

 弊社の強みは、製品に対するこだわりの強さにあると思っています。本当に自分たちが使いたいものを作っているか?誰もが納得のできる製品はどういうものか?という命題に対し、常に自問自答しながら、ものづくりを進めています。ですから、潜在的なものも含めお客様のニーズを的確に捉えて、製品開発や改良に活かしていきます。また、近年はこれまで弊社が培ってきた技術を外部に発信しようとホームページをリニューアルし、製品カタログも刷新するなどPR活動にも注力しています。製品のデザインにもこだわり、集音器ではこれまで無骨だった形状を改め、現在は女性も使いやすいモデルの開発を進めています。補聴器をつけることが恥ずかしいなどといった抵抗をなくすため、デザイン性と機能性を両立し、お客様が堂々と使える製品を提供してまいります。

 

―今後の展望を教えてください。

 

 将来的には、試験機、集音器、バイノーラルマイクという3つのビジネスを各々1/3ずつの割合にまで持って行ければと思います。企業規模から考えて、大手が参入できないニッチな製品を提供し続け、存在感を示したいですね。また、海外展開も考えており、バイノーラルマイクは既にJETROと公社の支援を受けながら準備を進めていますし、コロナ放電試験機に関しては、ホームページをリニューアルした際に英語と中国語表記を追加しました。販路拡大を目論み、これからもチャレンジを続けます。

代表取締役 成沢 崇志氏

取材:令和元年11月15日

企業基本情報

会社名 アドフォクス株式会社(R2/2/7up)
所在地 〒198-0036 東京都青梅市河辺町10-6-1 トミタワー7F
設立 1991年
資本金 6,500万円
従業員数 8名
主要取引先 大手家電メーカー、各種電子機器メーカー等
WEBサイト https://adphox.co.jp/