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現場目線でものづくりを進めながら、防水材の新しい可能性を切り拓く

防水工事店として創業しながら、多能工化を推進。東日本大震災をきっかけにメーカーの道を歩み始めた多摩防水技研株式会社から、実際に工事をする作業者の目線に立った、独自の開発品が生み出されている。様々な企業とのコラボレーションによって、防水材の新しい可能性を追求し続ける企業姿勢に迫る。

多摩防水技研株式会社(R2/6/8up)

防水工事業とメーカーの二つの顔を持つ利点

総合防水工事業者でありながら、メーカーとしての側面も持っている多摩防水技研株式会社。ロボットによる生産システムをはじめとする最新設備や独自の加工技術を有し、事前に現場にフィットした防水材を用意できる強みを持っている。現場での加工の手間がほとんど不要となり、短時間で仕上げることが可能だ。

東日本大震災をきっかけにメーカーの道へ

―まずは御社の会社概要をお聞かせください。

昭和60年に多摩市にて、防水工事店として創業しました。昭和60年代後半、バブルが弾ける直前から先を見据えて多能工化をはかり、得意分野を増やしていき、塗装やコンクリート補修、止水工事など、建物に関する仕事であれば、たとえ特殊な工法でもチャレンジし、取り扱うようになりました。
大きな転換点となったのは、東日本大震災直後のことです。取引のあったゼネコンから「福島の仮設住宅が漏水していて補修出来ない。入居の予定があるのに防水が出来ていないので内装が仕上がらない」との相談が。3日間で4000平米もの防水工事が必要だとのことでしたが、通常の工法では少なくとも2ヵ月はかかってしまいます。そこで私たちは、様々な会社と協力しながら各社の技術を集約し、何とか10日間で工事を終了。その時に、たくさんの技術屋の知見を集めることで、新しく優れた工法や材料を生み出すことができると確信し、メーカーとしての道を歩み始めることにしました。
元々、“100年防水を作りあげたい”という想いもあったため、メーカーとしてそれを実現しようと考えました。平成30年に八王子市楢原町で工場を取得して、強靭で高寿命な物性を有した高強度ポリウレア樹脂系防水材を型取り作成したシートなど、各種防水材料の生産を開始。工場の一部に、製品の経年変化などの確認スペースや教習スペースを用意し、工法開発や技術者の教育、実証実験の場として活用しています。

工場敷地内で各種防水材料の耐久性試験を実施

どんな形状でも“20年防水”を実現する二つの独自工法

―リムシート工法とリムクイック工法についてご説明ください。

リムシート工法は、強靭で長寿命、加水分解もほとんどしない高強度ポリウレア樹脂系防水材を型取り作成した「リムシート」を使用した防水工事のことです。リムシートはすべて自社で製造。ロボットによる生産システムによって、均一な塗膜を作り、ポリウレアのシートを成形しています。工場で厚みを0.1㎜単位で生産し、現場に合わせたサイズにカットしたシートを使用するので、現場での加工がほとんど不要となり、短時間で仕上げることが可能となります。騒音や臭いによって近隣住民に迷惑をかけることも少なくなります。
一方のリムクイック工法は、ポリウレア樹脂系超速硬化スプレー材を使用した防水工事のことです。可塑剤がほとんど含まれていないため経年劣化が少なく、長期に渡って耐久性を担保できます。短時間で硬化するスプレー防水のため、約5分後には歩行も可能となります。機械による施工となるため、最大約400平米もの面積を1日で施工できます。
リムシート工法とリムクイック工法の合わせ技で、例えば複雑な形状の場所や大きな機械を動かさなければ作業ができないような場所であっても、全体をウレア樹脂で覆うことができるため、“20年防水”が実現します。さらにリムシート工法には将来性があります。たとえば薄いタイルなどの仕上げ材をリムシートの上に貼り付けておけば、防水だけでなく壁面や床面の化粧仕上げもできます。さらには耐火性能や断熱性能も詰め込むことができます。そういったアイデアをお客様と一緒に考え、一つひとつ実現していきます。

ショールームでは様々な施工例をみることができる

様々なメーカーとのコラボレーションを実現する柔軟性

―御社の強みを教えてください。

第一に、総合防水工事業者でありながら、メーカーとしての側面も持っている点が挙げられます。ポリウレア樹脂を使った様々な形状の成形品を作ることができる設備と技術力に加え、接着剤などもこだわりの材料を仕入れ、自社開発して提供しています。あくまでも、“実際に工事をする側の目線”でものづくりを行っているので、性能はもちろん、施工性にも優れているという特徴を持っています。さらに、積極的に展示会や異業種交流会に出席することで様々なメーカーとの関係を構築、コラボレーションを実現し、リムシートのさらなる活用について共同開発を進めています。色々な技術をリアルタイムで吸収できる立場にあるのが一番の強みだと思っています。
二つめの強みは社員が多能工化している点が挙げられます。一級建築士や施工管理士・防水技能士など複数の資格を有する社員により、お客様に対し様々な角度から助言ができます。現場を知っている技術者が自分たちで実証しながら提案ができる点にも評価が集まっています。また大手ゼネコンからも技術者を招聘し、社内での技能伝承も積極的に行っています。

成形したシートの膜厚は工場で徹底管理

社会的に評価されるような会社を目指して

―今後のビジョンをお聞かせください。

まずは、きちんと事業承継をしていきたいと思っています。これまでお付きあいのあったメーカーや役所の方々など、豊かな人間関係をそのまま引き継げたら嬉しいですね。また、建物の長寿命化により、環境面での貢献だけでなく、女性や高齢者でも短時間で簡単に施工ができ、雇用や人材不足にも貢献、そして一番は超高齢社会になる中で住居に関する負担や不安を減らし、人々の生活をより豊かにできたらと考えています。そのための目下のテーマは、昭和に建てられた建物を簡単に改修・グレードアップさせることです。お風呂やベランダの防水工事から取り組みを始めています。
一方で、単独での取り組みには限界があるので、今後も地元のプラットフォームとなり、ポリウレアの活用について様々な企業と連携し、開発・普及を進めていきたいと考えています。私自身、これまで福祉関係の仕事にも注力してきました。できれば世の中に貢献できる仕事にもっとしっかり取り組んでいきたいですね。ソーシャルファームと呼ばれるような社会的に評価されるような会社にしていきたいと考えており、現在の社員たちにもしっかり伝えたいです。社会に貢献することで、社員たちがいきいきと仕事ができる会社にできたら嬉しいですね。

代表取締役 草場 清則氏

取材:令和2年3月25日

企業基本情報

会社名 多摩防水技研株式会社(R2/6/8up)
所在地 〒193-0803 東京都八王子市楢原町1457-1
設立 昭和60年
資本金 1000万円
従業員数 31名
主要取引先 大手建設会社・建材メーカー・住設メーカー・自治体・学校等
WEBサイト http://www.tamabou.com/