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独自の医療・介護機器を開発

金属・樹脂の精密加工技術を生かして、オリジナルの医療・介護製品の開発・製造を行うエーアンドエー(株)。アイデアを迅速にカタチにできる能力は、ものづくり企業の経験とスキルがあればこそ。受託製造業者からメーカーへの転身を目指し、着実に前進を続けている。

エーアンドエー(株)

半導体製造の技術を生かし、独自の医療・介護機器を開発・製造

ミクロン単位の精度が求められる半導体製造用「ワイヤーボンダー」や、デジタルカメラ用の3D加工など、精密な切削加工を手掛ける一方、環境、美容など分野での自社製品開発も積極的に推進。2010年には、金属・樹脂加工事業に代わる基幹事業を生み出すべく、医療・介護製品の開発を始動させ、2012年には医療機器製造業者の認可を取得。大学や医療機関とも連携し、実用性および独自性の高い製品の開発・製造を行っている。

工場内風景

工場内風景

ずっと寝たままの状態で、安全・安静に患者さんを移載・搬送

病室のベッドからストレッチャーへ、そして、ストレッチャーから手術台へと患者を移動させる際、これまでは4~5人が息を合わせてシーツごと移動させるというのが一般的だった。しかし、この方法では看護師等の負担が大きいうえ、落下のリスクもともない、なにより患者の負担が大きい。この問題を解決すべく開発されたのが、エーアンドエー(株)のオリジナル開発商品「パステム」だ。

その仕組みはいたってシンプル。まず、薄型のスライド式ベッドを寝ている患者の下に差し込む。そして、ベッドを覆うシートを自転させる。これにより、患者は滑らかに横方向へ移動する。ほとんど体位を動かすことなく、ベルトコンベアのように平行移動するので、患者の負担は圧倒的に減少する。特に手術後など安静が必要な際にその恩恵は大きい。看護師1名で操作が可能で、音声による昇降機構なども備えている。

エーアンドエー(株)では、この製品の企画・設計・製造のすべてを自社で行っている。金属や樹脂の加工をはじめ、電気系統もすべてオリジナル。そうすることで試作品開発までのスピードを10分の1以下に短縮。さらに、医療現場でテスト結果をすぐに反映できるので、現実に即した機能開発・改善が可能になる。実際、これまでに5台の販売実績があるが、医療現場からの評判は上々だという。唯一、コスト面が課題だが、中国での量産体制を整備することでコストダウンを図るほか、介護施設や家庭用の小型・廉価タイプの開発も検討している。

パステム

パステム

本格的な普及・量産を目指し、医療・介護分野での開発を推進

エーアンドエー(株)では、医療・介護分野でのさらなる製品開発も進めている。

その一つが、電動式移乗器「パルチェ」。ベッドから車いすへの移乗をサポートする機器で、従来の「吊り下げ型」に比べて安定性に優れるほか、小型化も可能。患者および介護士・看護師の負担軽減に貢献する。こちらは介護施設用に考案されたものだが、在宅介護を想定し、より日常的な利用に適した一般タイプも開発を予定しているという。

さらにもう一つ、映像・音声認識システムを活用した「脊柱側弯症」計測システムも開発中だ。これは、赤外線センサーで背骨の状態をスキャンし、そこで得られた3次元データを解析することで背骨の歪み(側弯症の症状)を計測するというシステム。再現性が高く、歪みの程度を定量的に計測できるうえ、安価で小型軽量を実現している。東洋大学の協力のもとで開発を行い、現在は順天堂大学で臨床実験中。2013年には測定用機器としてリリースし、2015年を目標に医療機器としての販売も視野に入れている。

側弯症は早期発見できれば手術不要であり、早めの検診が非常に重要といわれている。より手軽な計測が可能なこのシステムは、側弯症の早期発見を促進させる可能性を秘めており、小学校の検診への採用なども期待される。

パルチェ

パルチェ

「金属・樹脂加工の活路を模索しつつ、自社製品を経営の大きな柱に」

代表取締役 田澤直樹さま

代表取締役 田澤直樹さま

基幹業務である金属・樹脂加工について

「これまで、半導体製造用の産業機械を中心に、精密機器の切削加工から組み立てまでを行ってきました。複雑な形状の3次元加工やマグネシウム素材の切削加工などが、弊社のコア技術です。5軸切削加工機を3台保有しているほか、無人化システムも整備していますので、200~300個程度の小ロットでも低コストでの対応が可能です。」

 

今後の展望について

「金属・樹脂加工という分野では、価格競争が一段と激しくなっており、製造拠点の海外移転を含めて活路を模索しています。ただし、実際にアジアの製造などを視察してみましたが、かなり厳しいという認識です。海外に拠点を移しても、今度は現地の同業者と価格競争することになるだけで、厳しさに変わりはないですから。

価格競争以外のところに目を向け、“オンリーワン”技術・製品の開発にも力を入れていきたい。たとえば航空機など特別なノウハウを必要とする分野を狙い、新しい技術の習得などを積極的に行っていきたい。

自社製品開発に関しては、高齢化などの状況を考え、医療・介護分野を重視しています。

すでに大手メーカーも進出をはじめていますが、私どもは技術力を武器に、常に業界のトップを走り続けていきたいと思っています。その際、実際に現物を作りながら開発・改善ができる体制は、大きなアドバンテージだと考えています。いずれは家庭用の市場に進出することが、近い将来の夢ですね。」

 

取材:2014年1月

企業基本情報

会社名 エーアンドエー(株)
所在地 〒190-0182 東京都 西多摩郡日の出町 平井15番地8
設立 昭和48年
資本金 2,000万円
従業員数 40名
主要取引先 大手メーカー(工場)、中堅メーカー、卸売業・代理店・商社 Webサイト
WEBサイト http://www.a-and-a-co.jp/