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高周波と光の伝送機器や計測機器を開発

高周波と光を操り通信インフラを支える。高周波と光の伝送技術をコアとして伝送機器や計測機器を開発する。地上デジタル放送の基地局の7割はスタック電子の技術が使われている。

スタック電子(株)

高周波と光の伝送システム「ROF-Link」・電界検出プローブ「Leoプローブ」

スタック電子は高周波を光に変え、光を高周波に変える技術を強みとする。高周波と光の伝送システム「ROF-Link」は多くの放送システム、通信システムを支えている。独創的な技術開発をモットーに進化を続け、通信インフラの部品からユニット、システムソリューションを提供する。産学官連携を積極的に進め情報通信研究機構(NICT)と開発した「Leoプローブ」は電界計測の新境地を切り開いている。

ROF-Link

ROF-Link

高周波信号を光に変えて伝送する技術
基本原理は何十年も前に確立されている技術だ「Leoプローブ」の応用幅は広い

高周波→光。「ROF-Link」は高周波信号を光に変えて伝送する技術だ。テレビ、ラジオ放送や無線などのアナログ高周波を光信号に変換し光ファイバーで伝送する。例えば大阪の大きな地下街にテレビやラジオ放送を届けたり、成田/羽田/関西空港など主要な国内空港の無線システムを支えている。

これまで高周波信号は同軸ケーブルという金属製の電線で運ばれていた。同軸ケーブルは重く長い距離を送ると信号が減衰してしまう弱点があった。信号が弱くなると中継装置を置いて信号を増幅する必要がある。しかし、光ファイバーに変えると減衰しにくくなり中継装置が要らなくなる。そのため中継装置一台あたり年間20キログラムの二酸化炭素が削減できる。また光ファイバーは軽く、長さを調節しやすいための配線工事や設備補修、改築などが簡単で採用が広がっている。

 

「ROF-Link」の基本原理は何十年も前に確立されている技術だ。高周波を光に、光を高周波に変換するだけなら研究開発費を注ぎ込めば誰でもできる。ただ、技術が難しいためライバルとなるのは軍事用装置で、一台200万から300万円で流通している。そこでスタック電子では改良に改良を重ね、10分の1以下の値段で作る技術を開発した。さらに光ファイバーの両端が同軸コネクターと一体になるよう設計し、従来の同軸ケーブルをそのまま「ROF-Link」に取り替えられる。使いやすさと低価格で誰もが「ROF-Link」を使えるようにして、コネクターや分配器、フィルターなど周辺技術を含めて通信システムをROFワールドとして一括提案する。部品売りからシステムソリューション企業へと転身を遂げた。

光ファイバー

光ファイバー

 

光と高周波を操る技術を応用して開発したのが電界検出プローブ
「Leoプローブ」の応用幅は広い

光→高周波。光と高周波を操る技術を応用して開発したのが電界検出プローブ「Leoプローブ」。アンテナから出る電波の放射状況や電気製品から漏れる電磁波を測定する。電気光学効果結晶(E/O結晶)という電界によって光の屈折率が変わる結晶をプローブ先端にとりつけて、光ファイバーを通して屈折率の変化を読み取る。わずかな光の変化を高周波に変換する技術が生きてくる。

 

「Leoプローブ」の応用幅は広く。高圧送電線の電場状況や古い絵画の絵具に含まれる成分の分析、医療分野では体の内部をスキャンする磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の感度向上に使えないかと研究所や電機メーカーと共同開発が進んでいる。従来の金属製のプローブではプローブ自体に電気が流れるため電界を歪めたり、送電線など高圧電流が流れている状況では感電のおそれがあった。高圧電線のようなものすごく大きな電場状況からMRIまでものすごく小さな電気信号まで幅広く測定できる。

 

「Leoプローブ」の技術も数々のメーカーや大学が挑戦して断念してきた技術だ。スタック電子の技術者が情報通信研究機構(NICT)の技術発表会で電気光学効果結晶のポスター展示を見つけ「これなら面白いことができる」と閃いて3年。経産省の「新連携」事業などの支援を受けながら開発を続け、その成果がいま花開こうとしている。

Leoプローブ

Leoプローブ

今後の経営戦略と人材育成について

名誉会長(創業者)  田島 瑞也さま

名誉会長(創業者)  田島 瑞也さま

 

―研究開発のテーマはどうやって見つけていますか。

「企業なのでアカデミックなものよりも顧客満足(CS)や顧客が欲しがるものを開発する。情報収集では学術レベルであれば学会や学術雑誌、産業レベルでは展示会や製品情報など、インターネットのお陰でかなり簡単に情報を集められるようになった。相手に働きかけなくても済むものなら、国内外問わずボーダーレスに最新技術の動向を調べる方法はある。現在の技術動向と社会的なニーズなどを整理して、将来、何年くらいでどんな産業が生まれるか、そこに必要な技術は何だと分析していく。それを元にやりたいことと、できることを整理して、できるようにするにはどうしたらいいかを考える。この積み重ねだ」

 

―中小企業は資本や人材など制約が多いはずです。

「確かに最先端の技術は費用も設備も必要で中小企業の体力では開発しきれない。そこで先進技術で勝負している。ROF-LinkもLeoプローブも基幹技術は長年研究されてきた歴史がある。大きな企業のように研究開発用の高価な装置や試験装置が整っていれば、力業で開発しきることもできるが、そのぶん我々は知恵を振り絞らないといけない。以前、大手メーカーの技術者が当社の製品を見て『これが持たざる者の開発か』とこぼしたことがある。限られた条件のなかで開発する中小企業だからこそ、特別な設備を用いずとも在り合わせの設備を駆使して編み出す創造と技術が生まれることもある」

 

―人材育成はどうしていますか。

「ROF-Linkのようにソリューションを提案するためには、エンジニアだけでなく購買部門や営業担当も技術者でないとだめだ。部門にかかわらず全社的に技術教育をして、各部門に専門で教えられる人を配置している。技術者には大企業も中小企業もないと思う。与えられた仕事をこなすだけでなくその環境で生み出すためには何が必要か考えて貪欲に幅広い分野を学んでいける人間が伸びる。これは大手でも同じで、できない人は大手にいてもやはり評価されない。技術営業や共同研究で社外に出ればプロの技術者として扱われる。企業規模にかかわらず自身にプロ意識がないと相手にされないだろう。またその人に熱意がなければ周りの人は動かない。燃えていない人間は中小企業の技術者には向かないかもしれない」

 

取材:2011年5月

改訂:2016年4月

企業基本情報

会社名 スタック電子(株)
所在地 〒196-8501 東京都 昭島市 武蔵野3-9‐18
設立 昭和46年
資本金 7,000万円
従業員数 55名
主要取引先 大手メーカー(工場)
WEBサイト http://www.stack-elec.co.jp