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レーザーで溶接の歴史を変える

「いつかはメーカーになりたい」。その思いを胸に様々な製品を開発し、ついに自社の主力技術である溶接の分野で業界初となる製品の開発に成功。1kWの高出力と溶接の現場から生まれた機能性、リーズナブルな価格で国内外の市場に挑む。

(株)エイム

業界初となるハンディタイプの高出力レーザー溶接機を開発・製造

板金加工をルーツに持ち、半導体装置の部品製造や真空装置の設計・製造など幅広く事業を展開。近年になり、事業ごとに独立していた組織の再編・統合を実施。「溶接」をコアコンピタンスに板金・切削・溶接・組み立てまでを一貫して手掛けるほか、オリジナルの溶接機や自動溶接治具などの開発・製造・販売を行っている。

作業風景

作業風景

1kW の高出力で板厚3ミリまでを自由自在に溶接

溶接時に発生する素材の歪み軽減や、ピンポイントで繊細な溶接などを可能にするレーザー溶接機。0.1ミリの薄い素材の溶接も得意とする反面、従来の機器では厚さ1ミリを超える素材の溶接は苦手としていた。この問題を1キロワットという高出力で解決したのが、エイムが独自に開発・製造を行う「YAGレーザー溶接機 1kW」。ハンディタイプで1キロワットという高出力は、この製品が業界初となる。高出力の恩恵は板厚だけでない。溶加材を使用せずに母材同士を溶接できるほか、溶接スピードも向上。熱がピンポイントで伝わるため、従来のTIG溶接に比べ、縮み代を80パーセントも軽減できる。また、ハンディタイプなので、直線、曲線を問わず自由自在かつ繊細な溶接も可能。女性でも取り扱える設計となっている。一方、高出力ゆえの危険性については、二重のセーフティ機構によって安全が追求されている。

エイムでは2003年に溶接技術を自社のコアコンピタンスと定めて以来、人材および資金を集中させ、技術と経験を追求してきた。その一つの到達点が、この溶接機。ものづくりの最前線に身を置いているからこそわかる、「こんな道具があったら…」という思いが、ここに結実している。

エイムではこの1キロワットのほかに、出力が600ワットのタイプやレーザー溶接とアーク溶接を組み合わせたハイブリッドタイプなども手掛けており、いずれのタイプも自社で開発から製造、販売までを行っているため比較的安価である。

2016年4月から昨年末完成したファイバーレーザー(500w/750w)の販売も開始する。

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高度な溶接技術と金属加工全般のソリューションを提供

自社製品開発の基礎となったエイムの溶接技術は、真空部品など高い気密性を要求される分野で培われてきた。同じく切削加工や板金加工においても、高精度な加工に対応してきた歴史を持つ。そのほかにも設計から手掛ける装置製造や電源事業など、エイムの守備範囲は非常に広く、そのノウハウが自社製品の開発に結び付いているほか、金属加工に関するトータルソリューションとして広く提供されている。

金属加工は各分野の技術が進歩し、その境界線が交錯する状況が生まれている。従来は複数のパーツを溶接していたものも切削加工で対応できる場合があったり、切削加工から板金加工に切り替えることでコストダウンが実現できたり、最善の手段の見極めが難しくなっている。そういった点においてエイムは、品質、費用、納期のバランスを考慮し、最適な加工方法の提案と実現が可能だ。各分野の中小企業が連携した「ワンストップ体制」が数多く生まれているが、やはり社内の一貫体制は大きなアドバンテージ。量産となれば、費用、納期などの面でより大きなメリットを生む。

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「“溶接の歴史を変える”新機能の開発と販売の強化を」

代表取締役 小山孝さま

代表取締役 小山孝さま

自社製品の可能性について

「500ワットのレーザー溶接機は、すでに他メーカーの機材が普及していますが、1キロワットは業界初ですから、買い替え・買い増しなどの需要を狙えます。500ワットのユーザーすべてが潜在顧客となるので、積極的な営業活動を行っていきたい。当面はインターネットを活用して、ニーズの獲得を行う予定です。また今季からファイバーレーザーの販促にも力を入れる。ビーム効率で10倍、YAGの 1/5以下の消費電力(当社比)であるファイバーレーザーは、昨今の電力事情を鑑みると大きなアドバンテージとなる。開発においては、全構成の内製化がテーマです。現在ファイバーレーザーの内製化率は50%程度です。これを今年度内に100%にしたい。それによる低価格化を実現させる」

 

今後の展望について

「レーザー溶接機をはじめ、当社で使っている様々なドイツ製の機器を見ると、非常に堅牢で何十年も使っても壊れない。ドイツではそのような高品質な製品を、しっかりとした価格で世界中に販売することで利益をあげています。実際にドイツのメーカーを視察しましたが、あくせく作業に追われるのではない、落ち着いた仕事ぶりが印象的でした。当社としては、ドイツの製造業者のようなビジネスモデルを目指したいと考えています。ただし、レーザー溶接機を手がけるメーカーなどは国家的な戦略の下で各種のサポートを受けており、それが経営基盤の安定とビジネスモデルの源泉となっているようです。このような仕組みは、日本のものづくり継続のためにもぜひ参考にしたいところです。

いずれにしても、自社製品の開発・製造は、単なる夢というだけでなく、会社の未来に関係する重要な課題です。当面は『レーザーで溶接の歴史を変える』というテーマの実現に向けて、開発から販売まで積極的に推進していく予定です。」

 

取材:2014年1月

改訂:2016年4月

企業基本情報

会社名 (株)エイム
所在地 〒198-0023 東京都 青梅市 今井3-5-14
設立 昭和37年
資本金 6,000万円
従業員数 97名
主要取引先 大手メーカー(工場)、中堅メーカー、中小・零細メーカー
WEBサイト http://www.aimcorp.co.jp