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微細加工装置の開発で市場をリードする

物質を10億分の1メートルとなるナノの単位で自在に制御し、新製品や新素材の開発につなげるナノテクノロジー。その研究のために必要となる微細加工装置の開発で市場をリードするのがエリオニクスだ。電子ビーム描画装置や電子線ハードディスクマスタリング装置といった最先端の装置を製品化し、国内外の研究機関などが同社の製品開発動向に関心を寄せる。

(株)エリオニクス

電子・イオン等の粒子線や光・X線等の電磁波に関する技術の応用

電子やイオンといった粒子線、光・X線などの電磁波に関する技術をベースに超微細加工装置を開発する。超高精度電子線ビーム描画装置の最新機種では線幅4ナノメートルの超微細な線を描くことができ、世界最高の性能を誇る。また走査型電子顕微鏡をはじめ、硬さや粗さを解析する計測・分析装置でもナノテク研究とその事業化を支援する最先端の製品を提供する。

カーボンナノチューブの観察結果(1kV 40万倍)

カーボンナノチューブの観察結果(1kV 40万倍)

 

下記動画は取材時(平成23年4月)の内容に基づき作成しています。

(動画中の装置ELM-3500は、その後モデルチェンジにより現在ENF-3500に改名されています。)

世界一の性能を目指して
微細加工装置

2010年2月に受注開始した電子ビーム描画装置の最上位モデル「ELS-F125」は、線幅4ナノメートルの微細加工を実現。価格は4億円と高価だが、微小電気機械システム(MEMS)やフォトニック結晶といった最先端の研究開発現場で用いられる。

電子ビームを制御するための電子光学系を見直すことでひずみを抑え、一度に描画できる面積は従来機比45倍の500マイクロメートル角に拡大した。1回で描ききれない大きさの図形を完成させる際のつなぎ精度は15ナノメートルの性能を誇る。電子ビームの直進性を左右する加速電圧は従来機比25%増の125キロボルトにアップ。最小径1.7ナノメートルのビームが照射できるほか、線の幅に対する深さ(アスペクト比)方向の加工性能も向上した。

世界初、超高加速125kVでの電子ビームリソグラフィー

世界初、超高加速125kVでの電子ビームリソグラフィー

 

ハードディスク(HD)の原版をつくるための電子線HDマスタリング装置でも業界の先頭に立つ。最新の「EBW-150C」は、2.5インチの記録用円盤(プラッター)の全面にトラックとドット間隔がそれぞれ35ナノメートルの精度で描画する性能を持つ。これを他の技術と組み合わせることにより、従来機比4倍となる1平方インチあたり2テラビットのHDが製造可能になり、プラッターの両面に描画した場合、容量3テラバイトの2.5インチHDが製造できる。価格は1台10億円で、すでに米国の大手HDメーカー2社に納入済みである。

電子線ディスクマスタリング装置

電子線ディスクマスタリング装置

新発想の装置
新材料等の研究開発に向けて

2011年2月に受注開始した電子ビームナノ融解装置「ENF-3500」は、金属薄膜を溶融し直径10ナノメートル以下の微粒子をつくり出す、という新発想の機械だ。厚さ5マイクロメートルの金属箔の溶接や、金属多層膜の合金化などもできる。市場に競合製品はないといい、医療用高感度センサーや光デバイス、新材料の開発といった研究用途での需要を見込む。

主力の電子ビーム描画装置の技術などを応用して開発し、電子銃の電流値は最大150マイクロアンペア、電子ビームは最小径0.1マイクロメートルまで絞って照射できる性能を持つ。価格は6000万円。

 

金属粒子の形成は、触媒に用いられる金やプラチナ、磁性材料のコバルト系鉄などをナノメートルオーダーで形成できる。直径や密度の制御、2次元パターンに沿った規則的な配列なども可能という。金属粒子の微細化は表面積を増やすための重要技術の一つになり、触媒やセンサーの性能向上に直結するとして研究者の関心が高い。

溶接は金属箔の側面、重ね合わせ、3次元といった溶接ができる。電子ビームを狙った場所に当てられるよう、照射位置の確認が溶接材料(ワーク)の2次電子画像で確認可能な機能を搭載した。また電子ビームの照射で瞬間的に高温加熱ができるため、金属多層膜の合金化や化合物の精製といった使い方も可能になる。

 

 

ナノテクノロジーの可能性と今後の研究開発

代表取締役社長 岡林 徹行さま

代表取締役社長 岡林 徹行さま

―ナノテクノロジーの可能性をどうとらえていますか。

 「日本が科学技術立国として存続していく上で、ナノテクは重要な技術になるはずだ。ナノサイズになると、物性が変化する材料がある。

この性質を利用することで、これまでにない新しい機能の製品・デバイスを生み出すことが出来る。エレクトロニクス、バイオ、医療、環境、エネルギーなど様々な分野にまたがり今まで考えられなかった新しい製品も登場する。

生活を大きく変える可能性に期待できる。日本のものづくり産業再生の切り札として、また他国との差別化のキーテクノロジーになる。」

-ナノテク自体が最先端の研究領域である中で、それを支える製品をどう開発していきますか。

経営理念に「『創造企業として、科学技術の進歩に貢献する』を掲げている。この理念に近づくために、世界一の性能や世界初となる構想で製品を開発する努力を重ねてきた。幅4ナノメートルの線が描ける電子ビーム描画装置や10ナノメートル以下の金属微粒子が形成できる電子ビームナノメルティング装置などはその代表例だ」

 

―社内の研究開発体制は。

「従業員約95人のうち、技術部隊は約40人。博士号を持つ人材が6人おり、このうちの1人は入社後に取得した」

-現在、どういったプロジェクトを進行させていますか。

「詳しくはいえないが大きく4プロジェクトが動いている。既存製品の高性能化、そしてまだ世の中にない発想の装置だ。おそらくどこの企業も挑戦していないレベルやテーマになり、我々がやるしかない、という自負もある」

 

取材:2011年3月

改訂:2016年4月

企業基本情報

会社名 (株)エリオニクス
所在地 〒192-0063 東京都 八王子市 元横山町3-7‐6
設立 昭和50年
資本金 27,000万円
従業員数 95名
主要取引先 大手メーカー(工場)、大手メーカー(研究所)、大学・公的研究機関
WEBサイト http://www.elionix.co.jp