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生き続ける 創業70周年 伸銅品卸売から金属加工業へ お客様の悩みを解決する新しい技術を生み出す

伸銅品問屋として創業し、その後時代のニーズに合わせて金属加工を主力事業に。異種材料接合の新技術「iMPACT」、有機物分解装置「Tiox」、土壌硬化剤「STEIN」を使った新技術など、新しい技術・製品を生み出している。

久保金属株式会社(H29/4/14up)

「人とのつながり」でお客様の悩みを解決

働くうえで大切なのは健康、お客様からの信頼、会社の仲間からの信頼という考えで、とにかく人を大切にする社風。そのつながりは社内に留まらず、様々な企業、研究機関、支援機関と連携している。すべての技術は人と人のつながりで持ち寄った知恵から生まれたもの。その技術でお客様に新しい価値を提供する。

マルチマテリアル設計を実現する異種材料接合の新技術

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

創業70周年を迎えるアルミニウムや銅などの非鉄金属の卸売・加工業です。昭和21年に主に非鉄金属を扱う伸銅品問屋として創業しました。2代目社長の時代に金属加工を始めて、

現在は売上の9割以上を担う主力事業となっています。

既存お客様を主として、弊社が力を入れている技術が、異種材料接合の「iMPACT」、有機物分解装置「Tiox」、土壌硬化剤「STEIN」です。

創業当時の神田上水の風景

創業当時の神田上水の風景

 

―iMPACTとはどういった技術ですか。

 

iMPACTは弊社が開発した、材料の硬さ・強度の差を利用して異なる材料同士を接合する新技術です。東京都中小企業振興公社の事業可能性評価を受け、特許出願(久保金属株式会社、Win Bright、NEOMAXエンジニアリング株式会社、日立金属株式会社の共同出願)しています。

現在、自動車業界では、CO2排出量削減のために自動車の燃費改善が求められており、より軽量な材料を適材適所に使用する「マルチマテリアル設計」による車体の軽量化が進められています。マルチマテリアル設計では異種材料の接合技術が鍵を握っていると言われ、世界中で盛んに研究開発が行われています。

異種材料の接合は非常に難しい技術です。例えば、鉄と鉄の接合なら、溶融温度が同じなので溶接でつけることができます。ところが異種材料の場合は、溶融温度が異なるので溶接は難しい。そうするとボルト、ナット、ネジなどで機械的に接合したり、接着剤でつけることになるのでコストがかかってしまいますが、iMPACTを用いれば、従来設計精度を保ちつつ、軽量化、コスト低減、CO2削減を実現することが可能です。

自動車業界や航空機業界はもちろんのこと、軽量化が求められる業界はたくさんあります。

iMPACT工法による重量の違い

有機物を燃やさずに分解する地球にやさしい装置

―有機物分解装置Tiox(タイオックス)について教えてください。

 

被災地や避難地域などで使用済みのおむつや生理用品などの有機性廃棄物を燃やさずに、化学的に分解する簡易型の有機物分解装置です。チタンを500度に熱して、H2OやCO2などのガスに分解します。有機物分解装置の特許を持っている企業とコラボレーションし、弊社は装置の小型化を担当しました。平成26年度 先進的防災技術実用化支援事業に採択され、東京都および東京都中小企業振興公社の支援を受けています。

災害用だけでなく、介護施設でのおむつの処理、精密機器に入っているレアメタルの回収、危険な有機物の処理など様々な用途が考えられます。

有機物分解装置Tiox

有機物分解装置Tiox

土木技術を工業部品にも展開

―土壌硬化剤(シュタイン)について教えてください。

 

STEINとは、昭和50年に開発された安全な無機系粉体からなる土を固める材料です。2004年に開発者の村松さんと共に株式会社SPECを設立し、STEINの製造・販売

を行っています。

土とSTEINを混ぜて、転圧し、散水して出来上がり。20トンある大型車両の通れる道路がたったの1日で出来上がります。昔は日本でもかなり使われていましたが、今ではアスファルトに取って代わられた眠った技術でした。

現代でもこの技術が使える場所があるのではないかと考えていたとき、未だに土の道路が世界にはまだまだあることに気づき、JICAの中小企業案件化調査に応募、カンボジアで「灌漑・農業施設造成整備等に関する案件化調査」を実施しました。カンボジアは39,000kmある道路のうち27,000kmがまだ赤土の道路なので、コンクリートよりもSTEINが適していたのです。

カンボジアでの実証実験の様子

カンボジアでの実証実験の様子

また、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構とは「豪雨時のため池の簡易な補強対策工法の開発」にて、水路や洪水吐(こうずいばき)等の灌漑施設の共同研究をしています。洪水吐とは、洪水の流入に対し、ダムと貯水池の安全を確保するために設けられた放流設備のことで、通常はコンクリートで作るので数千万円かかりますが、私たちの技術を使えば数百万円でできます。

本技術は土木業界では昔から使われていましたが、業界を変えれば新技術として捉えられます。工業製品の分野でも活用できないか模索中です。

人と人のつながりが新しい技術を生み出す

―東京都中小企業振興公社の新技術創出交流会にもご参加いただいていますが、成果はありますか。

 

iMPACTを最初に採用してくださった大手企業も新技術創出交流会がきっかけでしたし、その後も多くの大手企業から引き合いをいただいています。交流会の展示で知っていただいて、数年してから連絡をいただくこともありました。

代表取締役	久保 祐一氏

代表取締役 久保 祐一氏

 

―今後の展望を教えてください。

 

「人とのつながり」です。これを強化することで、いざというときに助け合えるチームになる。私はよく氷山で例えるのですが、海面から見えているのは3割、見えない部分が7割もあります。この見えない部分が大切で、人間でいうと考える力、人間力、今までの経験。ここを大きくすれば、海面から見える3割も大きくなっていきます。社員一人ひとりの良いところを伸ばせるよう環境を整えていきたいと考えています。

そして、男女平等と言われて久しいのですが、本来は「公平」だと思っています。トラブルを治めるのに、20歳の新人を行かせるより、年配の社員が行った方が上手くいく可能性が高い。重い物は女性には運べないけど、男性なら運べます。このように適材適所で仕事をして、お客様第一で知的な時間の使い方を心がけています。

弊社で働くうえで大切にしていることは、健康、お客様からの信頼、会社の仲間からの信頼です。人が考えたものが擦りあわされて、新しい技術や製品が生まれる。それがお客様に求められるようになるというのが弊社のパターンなので、生き続けるにはやはり「人とのつながり」が重要なのです。

 

取材:平成29年1月26日

企業基本情報

会社名 久保金属株式会社(H29/4/14up)
所在地 〒193-0832 東京都八王子市東浅川町539-2
設立 昭和21年
資本金 1,960万円
従業員数 14名
主要取引先 精密機器メーカー、医療機器メーカー、産業機械メーカー等
WEBサイト http://www.kubo-kinzoku.com/