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コンシェルジュ型製造ソリューションでお客様の欲しいモノを欲しいカタチに

プラスチック加工に関することなら上流から下流工程までワンストップで対応。お客様のご要望を実現するために、企画・設計、試作、量産、検査、印刷・加飾まで各工程で様々な提案を行い、お客様にとって最適な製造ソリューションを提供する。

泰興物産株式会社(H29/4/7up)

チャレンジ精神を持ち続け、時代の流れに合わせて柔軟に変化

プラスチック加工射出成形を中心とした大量生産と化粧用ブラシの企画・製造・販売が主力事業。近年では、3Dプリンター、プラスチックに印刷が可能なUVインクジェットプリンター、レーザー加工機、マシニングセンターを導入、金型製作の内製化など新たな領域へと事業を拡大し、お客様のご要望に素早く・柔軟に応えられる体制を整えている。

洗顔ブラシ「de-Sebum(デシーバム)」

コンシェルジュ型製造ソリューションとしてお客様のものづくりをサポート

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

プラスチック射出成形を主とした製造業を営んでいます。先代が昭和50(1975)年にホットスタンプの会社から創業し、射出成形機を導入、その後化粧品のプラスチック部品を製造する会社となりました。以前は少品種大量生産が主流で、口紅の部品は月100万個を生産していた時期もありました。ただ化粧品だけだと受注量の上下も激しいので、先代の時代に工業用品にも幅を広げました。

もともと受託大量生産を得意としていましたが、ある時点で、お客様と一緒に考えた製品の方が仕事として長く続く傾向があることに気づきました。長いものだと30~40年単位の製品の受注につながっています。それで弊社は提案型の製造業を目指し、ワンストップで対応できるコンシェルジュ型サービスとしての製造業を展開するようになりました。

工場内の様子

工場内の様子

 

―コンシェルジュ型とはどういったものでしょうか。

 

以前は大量の受託生産をする仕事がほとんどでしたが、今は多品種少量生産が増えています。また、3Dプリンターの登場により、ものづくりのハードルが下がったことで、いろいろな業種のお客様が新しい商品を作ることにチャレンジしています。このようなお客様から企業から仕事を頂くには、企画・設計・試作等に対応できる上流工程が重要で、これらの工程でお客様のニーズを形にできれば、そのまま量産の受注に繋げられるのではないかと考えています。

平成18(2006)年には3D-CADを導入し、東京都立産業技術研究所のプリンターを使用してお客様に試作を提供するようになりました。3年前より弊社も3Dプリンターを導入したことで、設計した製品の形状確認が容易になりました。このように3Dプリンターを使い始めて10年になり、3Dプリンターの造形方式もいろいろ使い分けをして使用する機会も増えてきました。お客様から「展示会で試作品を展示したい」という要望があれば、ナイロン燃結や光造形方式の3Dプリンターで製作した試作品に塗装を施しますし、「金型を起こす前に精度の良い試作品が見たい」というご要望であればインクジェット方式の3Dプリンターを使います。もちろん3Dプリンターにもいくつか方式がありますので、お客様のご要望に応じた造形方式を使用し、プリントします。3Dプリンターやデータ等でわからないことがあると、東京都中小企業振興公社・多摩支社にある3Dラボに伺い、詳しく教えていただいたりします。

 

―金型の内製化も始めたそうですね。

 

プラスチック射出成形は、金型が必要です。しかし近年、小さな金型製作の会社はどんどん廃業しているのが現状です。射出成形は「金型が命」といっても過言ではないので、今後、金型も自社でできないと仕事が請け負えないと考え、、今年度から金型製作の内製化を始めました。

ただ、精密なものや意匠性の高いものは今も金型屋さんに依頼します。将来は精密なものや意匠性の高いものも受けられるように、設備と人員の充実を目標にしたいです。

金型の内製化も開始

金型の内製化も開始

広い視野で提案できる技術者を育てる

―若い従業員の方が多いのが印象的ですね。

 

社長と私が東京工業高等専門学校(高専)卒ということもあり、我が家の子どもたち全員、国公立の高専に通っています。そんな関係で、高専とは関わりが深く、運よく今年度機械科の学生1人が入社して、金型製作を担当してくれました。本当に人材には恵まれています。

社長は、「技術者の育成」を目標にしています。価格や用途、形状に応じて最適な精度・品質があるので、お客様のニーズを技術的にどう実現するか。これからは高い視座で品質・価格を含めトータルで考え、提案できる技術者が必要とされていると考えています。

弊社では、年齢に関係なく従業員全員が技能を持つことも目標としています。そのため、パート従業員にも最低限QC(品質管理)検定4級まで取得してもらっています。若い従業員にはもっと上の級を目指すように指導しています。資格を取ることで、外部にも一定のレベルを保証できます。

若い従業員が活躍している

若い従業員が活躍している

自社製品の開発と販売にチャレンジ

―洗顔ブラシ「de-Sebum(デシーバム)」を作り始めたきっかけを教えてください。

 

受託生産の製品は、すべてお客様の金型を使用して製造します。そのため、展示会等で自分たちをアピールするにも、見せられる製品がありませんでした。それなら自分たちで商品を作ってみようと考え、東京都中小企業振興公社の「事業化チャレンジ道場」に参加、新製品の開発に取り組みました。そこで開発したのが洗顔ブラシです。化粧品メーカー様から化粧ブラシも受注していたので、それに関連した製品を開発しようと考えました。

私たちは製造業なので、作ろうと思えばすぐにでも形にすることができます。ところが、商品を売るのは本当に大変なことでした。コスト感がどれだけ重要か、また、コストと品質のバランスがとても大事だということを、身を以て理解することができました。この経験は本業におけるお客様との商談にも活かせていて、お客様の視点に立って提案できるようになりました。

チャレンジ道場では今まで知らなかった製品開発の考え方や商品の販売等多くのことを学びましたし。チャレンジ道場では意欲のある企業様が多く、そうした前向きな企業様とのつながりもできました。来年度は若手の社員にも経験させて、いろいろなことを吸収し、刺激をたくさん受けてどんどん力を伸ばしてもらいたいと思っています。

 

洗顔ブラシ「de-Sebum(デシーバム)」

洗顔ブラシ「de-Sebum(デシーバム)」

 

―御社が作られているハート型の洗顔ブラシは見たことがないですね。

 

チャレンジ道場で男性向けに丸型や三角型を開発したのがきっかけでお客様に「ハート型もできるのではないか」とアイデアを頂き、試しに3Dプリンターを使って作ってみたのが意外にもかわいく、使い勝手の良い洗顔ブラシとなりました。ハートだけではなく、アイデア次第で色々な形のブラシが作れますよ。ブラシの毛の部分は広島・熊野町で植えてもらっていますので、弊社の「ハート型ブラシ」は熊野筆です。また、五角形や三角形、ハート形の穂先になるこの製造方法を特許申請し、平成28(2016)年12月に登録されました。

ハート型の洗顔ブラシ

ハート型の洗顔ブラシ

新しいものにチャレンジし、変化し続ける

―今後の展望を教えてください。

 

今後はIoTにも参入したいと考えています。まだ準備段階なのですが、東京高専電子工学科の水戸先生と連携し、製品開発に向けて調整中です。他にも、異業種交流会で知り合った芸術家とのコラボレーションも模索中です。これまでになかった発想で、「工業×芸術」で新しいものが生まれるかもしれません。近々、弊社で展覧会をやろうと計画しています。

3Dプリンターもそうですが、新しいことを見つけてどんどんチャレンジしていかないと、時代の流れに取り残されてしまいます。チャレンジ精神は常に持ち続けていきたいですね。

開発部 取締役 丸田 智子氏

開発部 取締役 丸田 智子氏

取材:平成28年12月8日

企業基本情報

会社名 泰興物産株式会社(H29/4/7up)
所在地 〒190-0022 東京都立川市錦町6-18-1
設立 昭和50年5月
資本金 1000万円
従業員数 4名
主要取引先 大手化粧品メーカー等
WEBサイト http://www.tycoh.co.jp/