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環境発電を追求する

振動を加えると発電する圧電素子をコア技術にして「環境発電」を追求するのがセラテックエンジニアリングだ。日常生活や自然界で使われていないエネルギーを電気に変換する環境発電の可能性を追求。発光ダイオード(LED)の点滅やスイッチとしての利用にビジネスチャンスを見いだし、新市場の創出に挑む。

(株)セラテック エンジニアリング

圧電発電ユニット「インパクトバッテリー」

圧電素子はガスコンロや電子式のライターなどの着火部品に使われている身近な技術だ。ただ取り出せる電気は電流値が1ミリアンペア程度と小さく、使い道に乏しいエネルギーだった。しかし低消費電力で点灯する発光ダイオード(LED)が急速に普及。圧電素子で発電した電気で十分に使え、応用製品への展開領域が大きく広がった。また振動や光、熱などの未利用エネルギーから電気を取り出す“エネルギー・ハーベスティング”が注目される時代になり、事業環境にも追い風が吹く。

インパクトバッテリー

インパクトバッテリー

LEDを点滅

振動を加えると発電する圧電素子

振動を加えると発電する圧電素子。電力会社の電力や電池といった電源不要の商品開発が実現し、新市場創出の可能性を秘める。セラテック・エンジニアリングでは応用製品の開発を効率化するため、圧電素子を内蔵した圧電発電ユニット「インパクトバッテリー」を開発。大きさは板ガム程度の小型防水装置になり、蓄電用の配線を備える。破損防止の信頼性と、板状素子をテコの原理を使ってたわみやすくし外部からの力を効率的に振動に換える。この相反する効用を実現した設計上の工夫は特許を出願した。

 

応用製品の開発で有望視するのはLEDとの組み合わせだ。1ユニットの発電で取り出せる電気の電流は約1ミリアンぺア。この微小な電流値で、LED約30個を点滅させられる。

このため夜間や暗所の安全性が高まる製品への応用を検討。歩行による振動で発電し、進路方向を誘導するマットや階段システムを設計した。また自転車のサドルの振動を活用したテールライトとしての利用も見込めるとする。ジョギングシューズや安全靴のかかと部にユニットを埋め込んだ製品なども試作を進める。電池レスの優位性を追求し、LEDが点滅する救命胴衣なども考案。携帯電話への充電を想定し、インパクトバッテリーに蓄電池を取り付けた登山靴の開発などにも取り組む。

階段誘導システム

階段誘導システム

スイッチとして利用

新市場創出の可能性を秘める圧電素子

新市場創出の可能性を秘める圧電素子。セラテック・エンジニアリングでは発光ダイオード(LED)を点滅させる製品開発と並行して、同素子をスイッチとして用い輝度の高いLEDの点滅で所在や危険を知らせる商品の開発を進める。応用製品の開発を迅速化しようと考案したのが、スイッチ機能を備えたユニット「インパクトバッテリーハイブリットシステム」だ。手のひらに載る大きさで、圧電素子とアモルファス太陽電池、蓄電用コンデンサー、光センサー、LEDの5部品で構成する。一連の技術は「危険防止報知装置」として特許を出願した。

 

電池レスでLEDを点滅させられる圧電素子。しかしもっと高輝度で点滅させたいというニーズが根強くある。同ハイブリッドシステムは、室内照明でも発電するアモルファス太陽電池で電気を発電しコンデンサーに蓄電。暗くなると光センサーがLED点滅回路のスイッチを作動。さらに圧電素子に振動が加わると、コンデンサーから電気を放出するスイッチが入りLEDが点滅する。LED点滅の際の輝度は、コンデンサーに蓄電した電気を使うために十分なレベルを確保。光センサーを組み合わせることで点滅は夜間や暗がりなど必要な時だけにできる。このため蓄電した電気を無駄に使うことがないシステムになり、応用製品の開発領域を大きく広げた。

インパクトバッテリーハイブリッドシステム

インパクトバッテリーハイブリッドシステム

今後の経営戦略について

代表取締役社長 岡本 正昭さま

代表取締役社長 岡本 正昭さま

-圧電発電の可能性をどう見通していますか。

 「電源レスで発電できる圧電素子を使った発電は『環境発電』といえる。“環境の時代”と呼ばれる現代において、環境発電が注目を浴びるのはまちがいなく、コア技術の『インパクトバッテリー』を環境発電の基盤技術に高め、世の中で役立ちたい」

 

-成長が見込める市場だけに競争の激化が避けられません。

 「当社は圧電素子の専業メーカーであり、圧電素子を素材からつくり上げる技術を持つのが強みだ。またTDKや村田製作所、フジセラミックスといった大手と共同開発もしている。」

 

-開発の体制は。

 「従業員10人のうち、5人が技術者だ。さらに3人の技術顧問がおり、1人は元NEC中央研究所所長でその後トーキンに移った大物技術者、もう1人もトーキンOBで骨伝導の専門家。そして超音波工業出身の技術者だ」

 

-圧電素子と太陽電池などを組み合わせたインパクトバッテリーハイブリットシステムは有望な技術になりそうです。

 「圧電素子による発光ダイオード(LED)の点滅では光り方が物足りない、という声にこたえた。LEDの点滅は太陽電池で蓄えたコンデンサーの電気で賄い、圧電素子は蓄電した電気を放出するスイッチの役目を果たす。LEDを送信機に置き換えれば、市場はさらに広がるはずだ」

 

取材:2011年7月

企業基本情報

会社名 (株)セラテック エンジニアリング
所在地 〒197-0825 東京都 あきる野市 雨間1914-58
設立 平成11年
資本金 1,000 万円
従業員数 9名
主要取引先
WEBサイト http://www.ceratec-e.com