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ワイヤーカット油加工によるミクロン単位の超精密加工を実現

精密微細ワイヤーカット加工に特化し、ミクロン単位の精度を実現。設備投資も行いさらに技術に磨きをかける。治具製作や工程管理、検査にも工夫を凝らし、高精度・高品質の部品をお客様に提供する。

有限会社オクギ製作所(H29/8/21up)

社長自らによる継続的な情報発信で、ホームページ経由の受注が増加

ホームページの更新は社長がこまめに行い、ブログやSNSを活用してワイヤーカット加工技術をわかりやすくアピールしている。インターネットを通じて全国から問い合わせが入り、受注にも繋がっている。

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外部環境に合わせて主力事業を柔軟に転換

―御社の事業内容を教えていただけますか。

 

電気部品等の金型製作、フィルムの打ち抜き加工、超精密のワイヤーカット油加工(0.2㎜~0.03㎜油ワイヤー加工)を行っています。

創業当時はプレス加工による金属部品の製造や組立てがメインでした。1980年頃から金属部品が海外生産されるようになったことと、近隣に住宅が増え騒音問題を避けるため、徐々に金属プレス加工の仕事を減少させ、ノートパソコン等に使用される特殊フィルムの打ち抜き加工を増やしていきました。そのうちに打ち抜き加工に使用する金型製作の依頼もいただくようになりました。元々、ワイヤーカット加工は金型製作に使っていた技術です。そこで磨いた技術を活かし、近年は事業内容を精密微細ワイヤーカット加工に特化させています。現在では導波管や医療機器などに使われる、非常に小さく精度が求められる部品の注文が来るようになり、売上の面でも、ワイヤーカット加工が全体の6~7割を占めるようになりました。

25ピースのジグソーパズル

25ピースのジグソーパズル

ワイヤーカットによる微細加工技術がなせるワザ

―ワイヤーカット油加工の強みは何でしょうか。

 

1つ目は、加工面がきれいに仕上がることです。ワイヤーカット加工は、放電現象によって非接触で金属を溶かす加工なので、金属に対する負荷がなく加工ができます。

2つ目は、3μm以下の精度が出せることです。0.25㎜、0.2㎜、0.15㎜、0.1㎜、0.07㎜、0.05㎜、0.03㎜の7種類のワイヤーを、お客様の要望や仕様によって使い分けています。

3つ目は、鉄などの金属の加工中に錆が出ないことです。ワイヤーカット水加工だと錆が出てしまうので、トラブルを抱えていたお客様が弊社に切り替えた例もあります。

その反面、ワイヤーのコストが高い、加工時間が長いというデメリットもあります。また、ワイヤー1本は15時間から20時間程度で終わってしまうので、交換の必要があり手間もかかります。

ワイヤーカット油加工機

ワイヤーカット油加工機

インターネットを活用してこまめに情報発信

―ホームページは社長がすべて作られているとか。

 

東久留米市商工会の補助金を活用し専門家の指導を受けながら、2000年にホームページを開設しました。それ以降の更新は自分で行っており、そのため弊社の情報をスピーディに発信できます。ブログは2006年から始めて11年になりますが、月に3~4本は記事を書き、常に動きのあるページにすることを心がけています。ホームページに掲載している動画は、私がデジタルカメラで撮影したもので、YouTubeにアップしてホームページにリンクさせています。

インターネットでの受注は、全国ないしは世界中の企業が競合となるため、技術力は当然必要です。一方で、その技術をどうやってわかりやすく伝えるかも非常に重要です。弊社では、遊び心があり技術力も伝えられるサンプル作りに試行錯誤しており、完成品をブログや動画で発信しています。

社長自ら更新を続けるホームページ

社長自ら更新を続けるホームページ

 

―ホームページに力を入れて、効果はありましたか。

 

ブログはコストもかかりませんし、情報発信を積極的に行うことで強力な営業ツールにもなりますね。今ではホームページからお問合せをいただき、受注につながるケースも増えています。

独自の工程管理を徹底し、高精度・高品質を実現

―御社独自の工程管理をされているそうですね。

 

これまで大手企業との取引の中で、工程管理の方法もたくさん勉強させていただきました。担当者が退職した時、記録が残っていないと同じ製品が作れなくなってしまう可能性がありますが、弊社ではすべての案件について工程票を作成し、加工内容や加工時間等を細かく記録しているので、他の社員でも対応することができます。ISOにも遜色ないレベルの管理をしていると自負しています。

また、検査工程では担当者によって合否が変わることがよくあるのですが、弊社では3次元測定器、IM測定器、マイクロスコープを導入しているので、誰が測定しても同じ結果が出る状態になっています。客観的なデータを書面で提出することで、お客様からのクレームをゼロに近づける取組みを自発的に行っています。

高精度を担保する検査機器

高精度を担保する検査機器

事業承継を見据えた設備投資と新規取引先の開拓

―新たにワイヤーカット水加工の機械を購入されたそうですね。

 

これまで微細加工ではワイヤーカット油加工が中心でしたが、水加工でも精密加工を実現すべく、新たに0.1㎜ワイヤーまで対応できるワイヤーカット水加工の機械を導入しました。弊社の規模にしては大きな投資ですが、コストや加工時間を考慮すると、水加工機の方がはるかに安く、また速く加工ができます。受注内容に適した機械を使って、お客様の要望に応えていきたいと思います。

 

―今後の展望を教えてください。

 

他社でプログラマーとして勤務している長男が、来年1月に弊社に入社することになりました。最近の工作機械はすべてNCなので、プログラミングの技術は大いに役立つことでしょう。

私は二代目経営者として、事業内容を先代の時代の金属プレス加工やフィルム打ち抜き加工から、ワイヤーカット油加工に特化させてきました。息子の時代にどのように事業展開していくかは、ある程度本人に任せたい。良い状態で会社を引き渡したいと考えています。

そのためにも、弊社の技術力を正しく評価してくださる取引先を1社でも多く開拓することが大切です。東京都中小企業振興公社の新技術創出交流会では、毎年アピールシートの内容を見直して申し込んでいます。その甲斐あってかこれまで5回参加でき、様々な企業との商談に繋がりました。今後も展示会への出展やインターネットでの発信を通して、弊社の技術力をアピールしていきたいと思います。

 

取材:平成29年6月21日

 

企業基本情報

会社名 有限会社オクギ製作所(H29/8/21up)
所在地 〒203-0042 東京都東久留米市八幡町3丁目14の27号
設立 昭和32年7月
資本金 500万円
従業員数 6名
主要取引先 エレマテック㈱、サンユー工業㈱、パワーサプライテクノロジー㈱、㈱雄島試作研究所、土屋工業㈱、住友重工㈱、独立行政法人産業技術総合研究所、スリーエムジャパンプロダクツ等 一部上場企業多数
WEBサイト https://www.okugiss.jp/