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世界が認めた高精度水準器

航空機や船舶をはじめ、工業用の特殊な水準器を作り続け、日本屈指の技術力を有する諸越レベル。炎を操り熟練の技でガラス管を加工して生み出す水準器は、電子機器が進化を遂げても決して追いつけない、高い精度と信頼性を誇っている。

(株)諸越レベル

卓越したガラス加工技術で高精度の水準器を製造

昭和初期から現在に至るまで、高精度なガラス製水準器の製造に従事。その製品は、航空機や船舶、産業用機器などに採用されてきた。アメリカ製のセスナ機の多くに諸越レベルの「旋回計用水準器」が採用されるなど、海外での評価も高い。多種多様な感度・サイズの水準器製造のノウハウを有し、1000種類を超える製品ラインナップは、国内はもとより世界でも屈指である。

作業風景

作業風景

炎を操る匠の技が、自在な感度調整と高い工作精度を生み出す

水準器の品質は、「感度」と「精度」で評価される。「感度」とは、計測可能な傾斜の程度を示す指標のこと。目に見えないわずかな傾斜を計る場合と、船舶のように40度にも及ぶ大きな傾斜を計る場合では、用いる水準器の感度も異なってくる。そして、その感度を正確に実現させるために、「精度」の高い工作が必要となる。

感度の調整は、ガラス管の内部をその感度に応じた曲率で削り出す(研磨する)ことで実現する。しかし、曲率が大きく、内部の研磨では対応できない場合は、ガラス管自体を曲げて対応する。研磨の場合もさることながら、このガラス曲げの加工には熟練の技術が必要であり、これこそ諸越レベルの高い技術力が発揮される部分である。

バーナーでガラス管を熱しながら曲げていくのだが、ガラス管の端から端まで均一な曲率で曲げるには、熱の加え方や力の加え方に細心の注意と高度な技術が要求される。もしも、不自然な歪みや、不均一に曲がった部分やつぶれた部分が発生すると、そこだけ感度が変わってしまい、製品としては失格となる。水準器と一口に言っても、要求される感度やサイズのバリエーションは千差万別。諸越レベルでは、細かな要求にも高い精度で応える技術を確立している。

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航空機で培った高度な技術を、あらたな市場へ

諸越レベルの高い技術力を示す好例が、航空機に搭載される「旋回計用水準器」だ。旋回時の速力の度合いと機体の傾きを同時に計る計器で、パイロットはこれを見ながら旋回時の安定性を確認する。計器の不具合が生死につながりかねないため、感度と精度に対する要求は非常に高い。ガラス管内部の傷や凹凸はもちろん、ガラス管を曲げる際に発生する、ガラスの微妙な厚みの変化さえ許されない。そのため、ガラス管に息を吹き込むことで内圧を上げ、曲げる力との均衡を保ちながら、少しずつ曲げていくという高度な技法が駆使される。しかも、機体の種類によって速力や旋回時の傾斜角が異なるため、それにあわせて旋回計用水準器も機種ごとに独自の仕様となる。

高精度かつ多様な仕様。この条件をクリアできる水準器メーカーは、日本国内において諸越レベル以外には、ほぼ存在しないという。

 

主に工業製品を手がけてきた諸越レベルだが、近年では、より広い市場への進出も模索している。例えば、一眼レフカメラ用の水準器。カメラ内蔵の電子水準器や簡易な水平器では満足できないハイアマチュア用に、高精度・大口径の水準器を開発中で、某メディアとタイアップで商品化のプランが進んでいる。水準器そのもののニーズは決して増えてはいないが、このような水準器を応用した機器への需要は、少しずつだが増加しているそうだ。

また、あらたな需要は高付加価値製品へのニーズを生む可能性を秘めている。実際、アクリル製の汎用品を複数用いて遊技台の設置を行っていたユーザーが、諸越レベルの水準器ならたった1台で簡単に傾斜の調整ができて重宝している、といったケースもあるそうだ。

一つひとつは小さなニーズではあるが、高精度かつ少量多品種への対応は1000種類以上のラインナップを誇る諸越レベルの腕の見せ所だ。

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業界を挙げての技術継承と新分野への挑戦を。

代表取締役 市村明敏さま

代表取締役 市村明敏さま

現時点での課題について

「最近では、加速度計などを用いた計器、また、スマートフォン用アプリなども増えていますが、まだまだアナログの水準器でなければできないことは確実に残っています。ですから、水準器づくりの技術は絶対に守っていかなければいけない。しかし、一方で、技術者の高齢化によって、技術の継承が難しくなっているという現実があります。

当社では、勇退された技術者を再雇用するなどして、若い世代の育成を行っていますが、そこに新たな人員と時間を費やす分だけの受注生産量は見込めず、新たな雇用は経営を圧迫するというジレンマに直面しています。私どものような企業規模だと、こういった育成コストの影響は非常に大きく響きます。この問題は当社だけでは解決が難しく、技術の継承と経営の維持も含め、クライアント各社さんにご理解いただき継続可能なものづくりと継承を行うべく適正な利益確保をお願いをしています。

また水準器業界としても、企業間の枠を超えて生き残りを考えていく必要があるでしょう。例えば、国内に3社あるガラス製水準器メーカーを統合することで、経営の合理化や人材の有効活用を行う。あるいは、アクリル製水準器メーカーとの統合や、ガラスメーカーの傘下として技術を継承するという道もあるかもしれません。私自身としては、諸越レベルの存続というより、水準器製造という特殊技術を守り、日本のものづくりを継承していくことを第一に考えていきたい。」

 

今後の展望をお聞かせください。

「コンシューマー製品の市場へ挑戦していきたい。水準器メーカー同士のネットワークを築いたことで、特に高精度・高難易度の製品について、様々な分野から相談が届くようになりました。この流れを足掛かりに、こちらからも発信を行って新しい市場へ積極的に取り組んでいきたい。

一般用の製品となると、直接、ユーザーに製品が渡るのでこれまでとは違った責任を感じます。思いがけないところで厳しい指摘をいただくこともしばしば、とても勉強になります。また、若い人材のモチベーション向上も大きなメリット。先細りの業界では、技術の継承以前に人が集まりません。水準器づくりに魅力を感じてもらうためにも、新しい市場への挑戦は重要だと考えています。」

 

取材:2014年1月

企業基本情報

会社名 (株)諸越レベル
所在地 〒183-0011 東京都 府中市 白糸台2-5-1
設立 昭和50年
資本金 1,000万円
従業員数 7名
主要取引先 大手メーカー(工場)、中堅メーカー、卸売業・代理店・商社
WEBサイト