環境に優しく、コストダウンも実現。
環境に優しい表面処理として3価クロムめっきのバレル化、3価オリーブクロメートの開発に成功。規制物質管理のニーズに応える分析機器も導入しています。
京王電化工業(株)
環境にも配慮した、各種めっき加工・開発。
■環境に優しい表面処理
規制物質が製品に混入しないよう、厳格に管理。品質検査も専任担当者を置く。
■3価クロムめっきのバレル化
従来は不可能とされていた3価クロムめっきのバレル化に世界で初成功! 大幅なコストダウンを実現。
■3価オリーブクロメートの開発
6価クロメートの代替として、防錆性能の高い3価オリーブクロメートを開発。自動車に用途が広がる。
進化する「めっき」。
環境への負荷を低減した表面処理を提供。
工業製品に不可欠のめっき。京王電化工業はアルミや鉄、銅、ステンレスなどの金属素材へのめっき加工はもちろんのこと、独自の技術開発によって幅広い分野でのめっきニーズに対応。特にRoHS/ELVに代表される規制をクリアーすべく、独自の技術開発で環境に負荷を与えない表面処理を提供しています。
クロムめっきには、長らく6価クロムが利用されていましたが代替として3価クロムめっきが開発されています。京王電化工業では世界で初めてとなる画期的なバレル式のめっき法を開発しました。これは回転式のバレルを用いて大量にめっき処理を行う技術。2年がかりで開発したもので、3価クロムめっきの大幅なコストダウンを可能にしました。
一方、これまでは開発が難しいとされ、他社は黒クロメート、ユニクロメートで代替した3価クロメートについて、京王電化工業では薬剤の配合などの工夫によってオリーブクロメートの開発に成功。高い防錆性能を持つことから自動車分野で利用されています。
3価クロムめっきは、堅くて滑りやすいという特性からワンセグ携帯のアンテナやデジタルカメラ等の部品に利用されています。
また、3価オリーブクロメートについてはほぼ100%が自動車に利用されています。
今後もこれらの分野に注力。国内市場に特化した展開を進めていく方針です。
検査機器と専任担当者による、万全の検査体制を構築。
規制物質の管理に対するニーズは厳しくなる一方で、取引先である大手メーカーからは規制物質不正使用のエビデンスは常に求められています。それでもなお支給材に起因する混入なども考えられることから、いわゆる出口検査は一層シビアにならざるを得ません。
そこで京王電化工業では、検査部門にも力を入れ、走査型電子顕微鏡、原子吸光光度計といった検査機器を導入。品質保証の担当者も、専任で3名置いています。こうした体制は業界でも類がなく、高く評価されています。
世界初の誇り。そして、妥協を許さない厳しさ。
3価クロムめっきのバレル化は、従来のひっかけ方式から2年間にわたる試行錯誤の末に成功しました。世界初ということで、私たちにとっても大きな誇りです。もちろん現状に満足しているわけではなく、さらなるコストダウンに取り組んでいきたいと思います。3価オリーブクロメートは薬剤の配合を工夫することで可能になりました。いわば”秘伝のタレ”。この管理に当社ならではのノウハウが活きています。
決して妥協しないことが、品質保証には求められます。開発・製造と兼任ではなく、専任で担当者を置いているのも、そこに理由があります。取引先から求められる規制だけでなく、それよりさらに厳しいレベルの規制に先回りして対応していきたいと考えています。
ニーズ先行型からシーズ先行型へと転換。
数年前、大手顧客の生産拠点が海外に移転したことをきっかけに、より付加価値の高いめっき処理こそが当社の生きる道と考え、3価クロムめっきのバレル化に取り組みました。それまでは顧客のニーズに応える技術開発でしたが、これをきっかけにシーズ先行型の技術開発へと転換できたと思います。今後も、従業員が「ここで働いてよかった」と思えるような会社づくりをしたいと考えています。
多摩地域は、様々な技術を持ったモノづくり企業が集積する場。実力企業ばかりがそろっています。横のつながりを強化し、他の国、他の地域ではできない付加価値の高いモノづくりにチャレンジしたいと思います。
取材:2010年1月
改訂:2016年4月
企業基本情報
会社名 | 京王電化工業(株) |
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所在地 | 〒182-0021 東京都 調布市 調布ケ丘3-6‐1 |
設立 | 昭和44年 |
資本金 | 3,200万円 |
従業員数 | 45名 |
主要取引先 | 大手メーカー(工場)、中堅メーカー |
WEBサイト | http://www.keio-denka.co.jp/ |