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3Dプリンター 、3Dスキャナーが導く “ものづくり”の未来

設計の世界が2Dから3Dへと移行し、さらに3Dプリンター、3Dスキャナーの登場により、より手軽に「実物」を生み出せる状況に。松村設計は、この3Dプリンター、3Dスキャナー技術と機構設計のノウハウを組み合わせることで、見て、触って、動かせる試作品を生み出す。

松村設計(株)府中事業所

高解像度3Dプリンター、3Dスキャナーと設計技術の融合

1970年の創業以来、通信機器を中心とした機構設計を手がける一方で、3D設計の可能性を追求すべく、2009年に3Dプリンター、3Dスキャナーを導入。現在は、より高解像度な3Dプリンターも追加し、デザインから機構設計、造形までをワンストップで実現する体制を確立している。2009年にはISO27001認証を取得。機密性の高い新商品開発プロジェクトにも対応可能な情報セキュリティ体制を構築している。

3Dプリンター

3Dプリンター

フォルムだけでなく、駆動部分の機構までも完成品同様に再現

3Dプリンターの利点といえば、まずそのスピードが挙げられる。これまでは数週間の製作期間を要していた試作品製作でも、設計データを3Dプリンターにセットしてから、ほぼ24時間以内で、早ければ一晩程度で完成してしまう。また、松村設計が保有する3Dプリンターは積層ピッチが16ミクロンという精度に加え、素材の選択肢も豊富なため、より完成品に近い形状、質感での試作品製作が可能になる。さらに、3Dスキャナーと組み合わせることで、試作品の製作はさらに自由度を増す。例えば、出来上がった試作品に粘土を盛ったり、削ったりといった調整を施したのち、3Dスキャナーでその形状を取り込むということが可能になる。つまり、図面だけではわからない“手触り”や“使用感”までも容易に確認・調整できる上、その結果を即座にデータ化(図面化)できてしまうのだ。

このように各工程の迅速化とリアルタイムに近い試行錯誤により、松村設計では大幅な工期短縮を実現。試作品の開発において、従来の約30パーセント(約90日間)もの工期短縮に成功したケースもあったという。また、寸法精度だけではない、“使い勝手”までも考慮した設計は、BtoC製品の開発において大きな効果を発揮したという。

 

松村設計は、3Dプリンター、3Dスキャナーの可能性に「設計」のノウハウを付加することで、より付加価値の高い製品開発も進めている。単に立体的なフォルムを再現するだけにとどまらず、そこに様々な機構を組み込むことで、“見る”“触る”に加えて、“動かせる”という要素を持ったモックを生みだすのだ。松村設計が提供する機構設計は、スライド機構や開閉機構、折りたたみ機構、歯車など多種多様。いずれの機構にも、個々のパーツ設計はもとより、強度やパーツ間のクリアランスなど、緻密な設計技術が要求されるが、松村設計には通信機器の設計などで培った数十年に及ぶ実績がある。全体の造形のイメージと、実現したい機構さえ把握できれば、そのアイデアを設計に落とし込み、すぐに3Dプリンターで具現化することが可能だ。

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3Dプリンター、3Dスキャナーがもたらす新たなビジネスチャンス

これまで松村設計は3Dプリンター、3Dスキャナーを活用して、ヘアケア用品や各種ノベルティグッズ、食玩などを手がけてきたが、特に季節限定のノベルティグッズなど、開発期間がタイトな商品ほど工期短縮の恩恵は大きかったという。また、機構設計のノウハウは、複雑な造形と凝った機構を持ったアミューズメントマシンの開発などでその実力を存分に発揮されている。

さらに、もう一つ、松村設計は新たな分野への挑戦も行っている。フィギュアの世界だ。フィギュアの原型師を社員として登用し、3Dモデリングから3Dプリント、彩色まで一連の技術を追求。現在はキャラクター商品などの施策・提案を積極的に進め、あとは商品化のチャンスを待つばかりという状況だ。また、この分野においては、「造形出力サービス」「3Dスキャニングサービス」にも注力している。フィギュアのモデリングデータを持ち込めば、誰でも3D出力できるというサービスで、工業用3Dプリンターならではの高解像度出力を手軽に利用できる点が何よりの魅力。微妙な曲線までもモデリングデータそのままに近い精度で再現できるツールとして、すでにフィギュアメーカーや造形作家から注目されているという。

さらに、データがない場合でも、現物があれば3Dスキャニングをしてデータを作成することも可能であり、そのデータから造形出力ができることも注目されているという。

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「3Dプリンター、3Dスキャナーの実力を広くアピールし、ニーズの発掘を行う」

代表取締役 松村民雄さま

代表取締役 松村民雄さま

3Dプリンター、3Dスキャナーの可能性について

「にわかに3Dプリンター、3Dスキャナーへの注目度が高まっていますが、その可能性、その活用範囲は、まだまだこんなものではないと思っています。例えば商品開発という分野においては、企画段階からもっと積極的に活用してほしい。企画書や図面だけでなく、現物があることでアピール力・説得力が格段に違ってきますから。設計データが2Dから3Dに移行した時の影響も大きかったですが、3Dプリンター、3Dスキャナーが生み出す“現物”だからこその説得力には、その時以上の大きな効果を感じています。もちろん商品開発以外でも、活用法はいろいろあると思います。しかし残念ながら、多くの人はまだまだその可能性に気づいていない。私どもとしては、3Dプリンター、3Dスキャナーの実力をもっと認知してもらうことで、本格的なニーズを生み出したいと思っています。」

今後の展望をお聞かせください。

「比較的安価な3Dプリンター、3Dスキャナーも登場していますが、解像度や素材のバリエーションという点では、まだ当社の機材の方に大きなアドバンテージがあります。そういった品質面での優位性を訴求するとともに、3Dプリンターでは、メッキや塗装などの表面処理など、より完成品に近い状態を作り出すためのノウハウを蓄積することで、さらなるアドバンテージを築いていきたい。そのほかには、やはり3Dプリンター、3Dスキャナーの実力を広く世間に示していく活動が重要。そういう意味で『造形出力サービス』

『3Dスキャニングサービス』事業はもっと注力すべき事業と考えています。多くの人が3Dプリンター、3Dスキャナーの実力に触れる機会を増やすことで、ニーズの掘り起こしを行いたい。」

 

 

取材:2014年1月

企業基本情報

会社名 松村設計(株)府中事業所
所在地 〒183-0033 東京都 府中市 分梅町4丁目27‐4
設立 昭和45年
資本金 1,500万円
従業員数 46名
主要取引先 大手メーカー(工場)、中堅メーカー、卸売業・代理店・商社
WEBサイト http://www.msk-s.co.jp