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第3回 3Dラボに行ってみよう!~製作事例

東京都中小企業振興公社・多摩支社では、都内に事業所を持つ中小企業の経営支援の一環として、試作を目的とした3Dプリンターによる3次元造形を無料で行っています。具体的にどのような支援が受けられるのか、3次元造形支援を行っている「3Dラボ」に伺い、3次元造形支援コーディネーター 木下 欣也(きした・きんや)氏へのインタビューを通じて3回にわたりご紹介します。

第3回目となる本稿では、実際に3Dプリンターで造形した事例についてご紹介します。

 

多摩支社での製作事例

――実際に3Dラボを利用された製作事例について教えていただけますか?

 

それでは、素人でも扱えるマイコンボード「ARDUINO」のケースを製作した事例についてご紹介します。このケースは、広域多摩イノベーションプラットフォームで実施した「オープンソースハードウェア勉強会」の実施に伴い製作しました。「ARDUINO」の全体を覆うケースを作りたいというご要望をいただいて、最初に作ったのが下の写真の一番左のものです。

 

「ARDUINO」ケースの検討過程

「ARDUINO」ケースの検討過程

 

Apple TVをイメージして作ったということですが、厚みもかなりあり、なにより拡張ピンに接続しにくいという点で担当者からは不評でした。

 

初期設計が左。改良して、右のケースが完成した

初期設計が左。改良して、右のケースが完成した

 

これを改良して2次試作を作ったのですが、それでも拡張ピンにアクセスしにくいという課題が残りました。3次試作ではコネクタ部分をカバーするA案と、コネクタの部分はカバーしないB案の2パターンを製作し、コンペを経て最終的にはB案が採用されました。初期試作との経過を並べて見ると、かなり厚さが薄くなっているのがわかります。

 

開発をスピードアップ

――初期試作と比べると改良経過が一目瞭然ですね。図面だけでは伝わらない細部まで違いを確認できます。

 

今回の事例もそうですが、試作品があると、設計データを画面で見るだけではわからないことが見えてきます。設計に精通していない方にも完成品のイメージがしやすく、意見が出しやすいんです。これまでは試作というと、非常に高価なものでした。ところが3Dプリンターを使えば、安価に短時間で試作品を作ることができます。先ほどの事例のケースだと造形時間2時間30分、材料費3,200円です。

 

さまざまな造形サンプルがあります

さまざまな造形サンプルがあります

 

ぜひ3Dラボをご活用ください!

――利用を検討されている企業様へのメッセージがあったらお願いします。

 

条件はいろいろとありますが、都内製造業、モノ作りを目指す企業様であれば3次元造形支援をご利用いただけます。ご要望をうかがいながら進めていきますので、まずはお気軽にご連絡ください。

 

 

[お問い合わせ先]
多摩支社 担当:木下(きした)
〒196-0033 東京都昭島市東町3-6-1
電話:042-500-3901、FAX:042-500-3915
メール:tama@tokyo-kosha.or.jp

第2回 3Dラボに行ってみよう!~造形のポイント~

東京都中小企業振興公社・多摩支社では、都内に事業所を持つ中小企業の経営支援の一環として、試作を目的とした3Dプリンターによる3次元造形を無料で行っています。具体的にどのような支援が受けられるのか、3次元造形支援を行っている「3Dラボ」に伺い、3次元造形支援コーディネーター 木下 欣也(きした・きんや)氏へのインタビューを通じて3回にわたりご紹介します。

第2回目となる本稿では、造形のポイントについてご紹介します。

 

造形に使う2つの材料

――3次元造形で使用する材料について教えてください。

 

3Dラボの3Dプリンターでは、2つの材料を使って造形をします。1つは、目的物の形をつくるモデル材。もう1つは、サポート材と呼ばれるモデル材とは異なる材料で、モデル材の形状を保つために使う材料です。サポート材は造形が終わってから除去します。

 

こんな感じで、バリバリとサポート材を取り除きます

こんな感じで、バリバリとサポート材を取り除きます

 

取りにくい部分は、超音波洗浄機で除去

取りにくい部分は、超音波洗浄機で除去

 

一番下のサポート材を取り除くと、上の状態になります

一番下のサポート材を取り除くと、上の状態になります

通常、3Dプリンターの造形サービスを提供している民間企業では、モデル材とサポート材の使用量や造形時間で課金することが多いようです。3Dラボは無償で利用できますが、企業様が今後も3Dプリンターを利用することも考慮して、材料をなるべく少なく、造形時間を短くするコツもお伝えしています。

 

ツールパスを作る

――三次元造形には「ツールパス」(造形の経路)への変換処理、というものが必要だと聞きましたが?

 

ツールパスとは造形する際の樹脂射出ノズルの経路を言い、3次元造形ではSTLデータから高さごとにツールパスへ変換する処理が必要となります。変換処理については私が行いますが、一つひとつ確認しながら、利用企業様にもコツをお伝えしたいと思っています。

 

黄緑がモデル材、青がサポート材のツールパス

黄緑がモデル材、青がサポート材のツールパス

3Dラボで使用している3Dプリンターだとおよそ0.4㎜幅で樹脂を塗っていくので、寸法によっては塗りにくいところもあります。そういった場合は、寸法を変えたり、モデル材の別の塗り方をご提案するなど臨機応変に対応させていただきます。また、造形する方向によって表面のなめらかさや強度が変わるので、使用方法をご相談させていただきながら造形する方向をご提案させていただくこともあります。

 

材料の使用量と造形時間

――利用企業様には、造形にかかった材料の量と造形時間についても情報提供されているとか?

 

ご利用いただいた方には、必ず使用した材料の量と造形にかかった時間をお伝えしています。というのも、企業様で3Dプリンターを購入される場合や、民間企業に依頼する場合、実際はどれくらいの費用がかかるものなのか参考にしていただきたいとの想いがあるからです。

 

――どうもありがとうございました。

 

次回は、3Dプリンターを使った製作事例についてご紹介します。

 

 

[お問い合わせ先]
多摩支社 担当:木下(きした)
〒196-0033 東京都昭島市東町3-6-1
電話:042-500-3901、FAX:042-500-3915
メール:tama@tokyo-kosha.or.jp

第1回 3Dラボに行ってみよう!~造形方式と利用方法

東京都中小企業振興公社・多摩支社では、都内に事業所を持つ中小企業の経営支援の一環として、試作を目的とした3Dプリンターによる3次元造形を無料で行っています。具体的にどのような支援が受けられるのか、3次元造形支援を行っている「3Dラボ」に伺い、3次元造形支援コーディネーター 木下 欣也(きした・きんや)氏へのインタビューを通じて3回にわたりご紹介します。

第1回目となる本稿では、3Dプリンターの種類と、3Dラボの申し込み方法についてご紹介します。

 

3Dプリンターは7種類

――まずは、3Dプリンターの種類について教えていただけますか?

3Dプリンターと言っても、実はその造形方法によって7種類もあるんです。造形方式によって、モデル材の材質や仕上がりがそれぞれ違います。3Dラボでは企業様の「やりたいこと」をしっかりヒアリングし、適切な造形方式をご案内しています。

実際に3Dラボで造形したサンプルの数々

実際に3Dラボで造形したサンプルの数々

 

3Dプリンターの種類

①熱溶解積層方式(FDM:Fused Deposition Modeling)
②光造形方式(SLA:Stereo Lithography)
③粉末焼結方式(SLS:Selective Laser Sintering)
④インクジェット方式
⑤シート積層方式
⑥バインダジェット方式(3DP)
⑦指向性エネルギー推積方式(LMD)

 

ヒアリングした結果、3Dラボにはない造形方式の方が好ましい場合もあります。そのような時は、適切な方式の3Dプリンターを利用できる施設をご紹介します。3Dラボに設置しているのは、Stratasys社 “Fortus 250mc”という機種で、上記の「①熱溶解積層方式(FDM)」で造形を行います。材料はABS樹脂を使用します。

公社・多摩支社「3Dラボ」にあるStratasys社 Fortus250mc

公社・多摩支社「3Dラボ」にあるStratasys社 Fortus250mc

 

ヒーターで溶かした材料が出てきて造形します

ヒーターで溶かした材料が出てきて造形します

造形の様子(動画)はこちらから。

 

申し込み方法

――3Dラボを利用するために必要な申込書はどのように入手すればいいのでしょうか?

3次元造形支援利用申込書は、こちらからダウンロードできます。必要事項を記入していただき、FAXかE-mailでお申し込みください。

細かい確認事項がありますが、初回面談時にコーディネーターが一つひとつ内容を説明しながら確認しますので、ご安心ください! また、お申込み前のご相談も承っていますので、お気軽にご連絡ください。

 

利用条件

――実際に利用する際の留意点などがあれば教えてください。

経営支援の一環として実施していますので、ご利用いただく条件を設けています。こちらも面談時に一つひとつ確認しながら説明していきます。

 

 ・都内に事業所を有し、「ものづくり」を目指す中小企業であること。

東京都内に事業所を構える企業様であれば、対象となります。必ずしも製造業だけでなく、これから「ものづくり」を目指す企業であれば製造業以外でも利用可能です。

 

・広域多摩イノベーションプラットフォームにおける各事業(セミナー、勉強会、研究会、交流会等)にすでに参画、またはこれから参画すること。

3次元造形支援は広域多摩イノベーションプラットフォームの一環で実施していますので、積極的な参加をお願いいたします!

 

・自社または自社が所属する企業グループが作成したCADデータであること。

注意事項としては、オリジナルの3D CADのデータを準備できる企業様が対象となります。

3D CADを使ったことのない方には、お隣の東京都立産業技術研究センターの技術支援(有料)をご紹介していますので、そちらで3Dデータを作っていただいてからのご支援になります。

 

・STL形式でのデータ提出が可能なこと。

支援の都合上、データの形式を指定させていただいています。データ形式についてご不明な点はご相談ください。

 

・CADデータは違法な造形物またはその一部もしくは部品ではないこと。

例えば、拳銃は造形できません! 実際に2014年に、3Dプリンターで拳銃を製作し、銃刀法違反で逮捕された事件がありました。

 

・CADデータは第三者の知的財産権を侵害するものではないこと。

知的財産を侵害するような模倣品等の造形はできませんので、ご了承ください。

 

・作成した造形物を販売目的に使用しないこと。

造形物をそのまま譲渡・販売する場合はお断りしています。製品開発段階における試作として形状の確認などにご利用ください。

 

・趣味等事業目的以外での利用ではないこと。

経営支援として実施していますので、事業化を目指す場合のみの利用をお願いしています。

 

――どうもありがとうございました。

次回は、3Dプリンターで造形する際のポイントをご紹介します。

 

[お問い合わせ先]
多摩支社 担当:木下(きした)
〒196-0033 東京都昭島市東町3-6-1
電話:042-500-3901、FAX:042-500-3915
メール:tama@tokyo-kosha.or.jp

自作の3Dプリンターあります

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3Dラボでは、コーディネータ自作の3Dプリンター(デモ機)も展示しています。

昨年11月の産業交流展(東京ビッグサイト)にてお披露目。会期中、稼働していました。

(さすがに大型は搬入、稼働できないので・・・)

とはいえ、この小型プリンター、機能は負けていません。

以下のサンプル品もこのプリンターで作成したものなんです。

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